2017年06月10日
6回継投が裏目 準規が同点許す
6回継投が裏目 準規が同点許す
2017年6月10日 紙面から

オリックス-中日 6回裏2死一塁、武田に同点二塁打を許した2番手伊藤=京セラドーム大阪で(佐伯友章撮影)
中日は9日、京セラドーム大阪でオリックスと対戦し、延長に突入した10回、田島慎二投手(27)が無死一塁からロメロにサヨナラ2ランを打たれ、2-4で敗れた。先発した小笠原慎之介投手(19)は、制球に苦しみながらも5回まで1点に抑えた。2-1と中日が1点リードで迎えた6回、2死一塁で降板。2番手の伊藤準規投手(26)が直後に痛恨の適時二塁打を打たれて同点に追い付かれ、10回に田島が力尽きた。
歓声ととともに京セラドームのレフトスタンドへと伸びていく打球を、なすすべなく見送るしかなかった。2-2の延長10回、この回からマウンドに上がった守護神の田島がうなだれる。無死一塁から4番・ロメロに2ランを浴び、今季4度目のサヨナラ負けだ。カード初戦を落とし、敵地で連敗。ようやく勝った5位・巨人との差が0・5に詰まった。
敗戦の責任は打たれた守護神が背負う。ただ、試合中盤から投手起用にどこかチグハグ感があった。5回に相手の本塁打が取り消されて逆転を許さず、6回表に勝ち越し。その裏、球数が100球を越えていた小笠原を引っ張って、2死一塁までこぎつける。打席には武田。右打者だが、この日は2打席とも三振とタイミングは合っていなかった。ただ小笠原は今季最多の115球を投げており、ベンチの判断はここで交代だった。
「小笠原はあれ以上は投げさせられないだろう」と森監督が継投のタイミングを説明。流れを断ち切る三振を奪う力があり、登板5試合連続無失点中の伊藤を早めに投入した。
結果的にこれが裏目に出た。「準備はしていました。初球が本当に大事な場面だった。100%ゼロで抑えて帰って来ないといけないところだった」。代わった伊藤もわかっていながら、外角への初球148キロを痛打される。右中間を破る二塁打で一塁走者が生還。同点に追い付かれてしまった。「あそこでゼロで帰っていれば勝てたと思う。きょうは試合の流れを壊してしまいました」。7、8回は6人で抑えて岩瀬、田島へとつないでいるだけに、やはりこの6回を悔やんだ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017061002000107.html
2017年06月10日
京田、ついに3割
京田、ついに3割
2017年6月10日 紙面から

オリックス-中日 5回表2死、右前打を放つ京田=京セラドーム大阪で(金田好弘撮影)
勝利にこそ結び付かなかったものの、ルーキーの輝きは増していくばかりだ。京田が6試合連続のマルチ安打&先頭打者安打をマークした。計5打数2安打で打率も3割に乗せた。
先頭で安打を放つ。京田の代名詞になりつつある。試合開始から1分ほどでこの日も出塁した。1回。オリックス・西の投じた初球だった。高めのシュートを中前にはじき返した。
「コントロールのいいピッチャーなので、追い込まれる前に打とうと思った。振っていかないとダメなんで」。狙い通りの打撃にうなずいた。勢いは打球にも乗り移る。1点リードの5回2死の第3打席には内角のスライダーを打ち上げたが、一塁線に落ちて右前打になった。
実は好調をキープし続けている打撃よりも、守りで確実にアウトを積み重ねることに重きを置いている。「僕は守備の選手ですから。ヒットを打ったからといって関係ない。打ち取った打球をしっかりアウトにするだけです」。今季初めて足を踏み入れた京セラドーム大阪でも安定感ある守備を披露。3つのゴロと1つのフライをきっちり処理した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017061002000106.html
2017年06月10日
小笠原「僕が悪い…」
小笠原「僕が悪い…」
2017年6月10日 紙面から

小笠原は5イニング2/3で5安打4四球の2失点。白星とはならなかった(布藤哲矢撮影)
「交代させられた僕が悪い」。だから白星は逃げた。5回までに106球ながら、志願して上がった1点リードの6回。単打を許し、2死を奪ったところで限界が来た。今季最多の115球で首脳陣は伊藤への継投を選択。ベンチに戻った直後、同点打を見届けた。
結果論で語るなら、かさんだ球数が響いた。走者を背負うと、過度に慎重になり、かえって「自分で投球を苦しくしてしまった」。それでも、もらった1点リードは堅持。勝利の女神はほほ笑みかけていたのは確かだった。
5回無死一塁から、来日初スタメンのマレーロに真ん中のチェンジアップを左中間スタンドに運ばれた。マウンド上で表情を失ったが、打者の本塁踏み忘れで同点止まり。命拾いをすると、6回に勝ち越し、勝ち投手の権利を手にした。
プロは幸運だけで白星が手に入るほど楽な世界じゃない。終わってみれば、5イニング2/3で5安打4四球の2失点。大崩れしなかった粘投に、森監督は「それが持ち味なんじゃないの。勝てなければしょうがない」と話した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017061002000105.html
2017年06月10日
翔太、自滅 5四死球 全てが失点に
翔太、自滅 5四死球 全てが失点に
2017年6月9日 紙面から

ロッテ-中日 5回裏1死一塁、鈴木は清田に四球を与える=ZOZOマリンで(小沢徹撮影)
そんなに甘くはなかった。中日は8日、今季2度目の4連勝を狙ったロッテ戦(ZOZOマリン)で逆転負け。自身3連勝の懸かった新鋭・鈴木翔太投手(21)が勝利投手の権利目前の5回に四球で崩れ、救援陣も踏ん張れなかった。しかし、交流戦前半を終えて5勝4敗と1つ勝ち越し。3カード中2カードがホームの後半戦でも一つずつ借金返済を目指していけば、上位にも少しずつ近づけるはずだ。
継続は力なり-。使い古されてきた格言が、実行できない。3勝目を挙げた快投から1週間。幕張のマウンドには、「別人」の鈴木がいた。四死球が重なり、顔をのぞかせた自滅グセ。5点の援護を吐き出し「野手の方に申し訳ないです…」とうつむいた。
ZOZOマリンスタジアムでは初登板とはいえ、3月のオープン戦で経験済み。この日の試合前練習でも、ブルーシートが敷かれたマウンドの上から軽く投げ、独特な風の影響も確認した。ではなぜ-。足りないのは精神面か、技術面か。「どっちもです」。試合後、速足でバスに乗り込む鈴木が声を絞り出した。
不穏な空気が漂い始めたのは、ロッテ打線が2巡目に入った3回。2死無走者から角中に死球を与えると、続く清田にはフルカウントから我慢しきれずに四球。無安打で一、二塁の窮地を招き、連続適時打で逆転を許した。2本の痛打は、いずれも3ボールと苦しいカウントで投じた直球だった。
4回に逆転してもらったにもかかわらず、勝利投手の権利が懸かった5回に音を立てて崩れ始める。先頭のサントスを四球で出塁させると、1死を奪うのが精いっぱい。清田を歩かせたところで近藤投手コーチがマウンドへ足を運んでアドバイスを送ったが、歯止めにならなかった。続くパラデスにも清田同様、一度もバットを振られることなく連続四球。これまでも「3ボールになると意識し過ぎる時がある」と課題は分かっていたが、切り替えられなかった。
満塁となって再び近藤コーチと、森監督もベンチを出た。首脳陣の我慢が限界に達して降板。救援陣が逆転を許し、自らに3敗目が刻まれた。今季最短の4イニング1/3で、自己ワーストの6失点。5四死球で出した走者がすべてが生還しては無理もない。前回1日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では自己最長の7イニング2/3で1失点。それが本来の姿なだけに、もどかしさは増幅する。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060902000115.html
2017年06月10日
京田、5戦連続の先頭打者安打&マルチ
京田、5戦連続の先頭打者安打&マルチ
2017年6月9日 紙面から

ロッテ-中日 1回表無死、京田は三塁への内野安打を放つ=ZOZOマリンで(小沢徹撮影)
ルーキーの勢いが止まらない。もはやスコアボードに何度も「H」ランプをともすことが当たり前になりつつある。京田が5打数3安打でプロ初となる2試合連続の猛打賞をマークした。だが快音連発も、ロッテに3タテを食らわすことのできなかった悔しさが勝った。
「塁に出ることだけを考えてやっているので。(3本打っても)試合に負けたので意味がない」
この日も背番号51の安打で幕を開けた。1回。ロッテの先発・唐川に外角のカーブに詰まらされたが、快足を跳ばして三塁内野安打にしてみせた。これで5試合連続の先頭打者安打も記録。すかさず今季7個目の盗塁も決めた。同点で迎えた4回1死一塁には内角高めのカーブを捉えて右翼への二塁打にした。いずれの打席でも後続がつながり本塁に生還し、得点のきっかけをつくることに成功した。9回無死一塁では内から二塁内野安打を放った。
前夜はうれしい出来事もあった。2011年から2年間、ロッテに在籍していた工藤のつながりで、京田と同じ石川県出身のロッテ・角中と食事する機会に恵まれた。「それほど地元トークに花は咲かなかったけど、いい時間を過ごせました」。同じ食卓を囲んでも試合では敵同士。同じ左打ちでロッテの顔ともいえる郷土の先輩を上回る輝きを放った。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060902000112.html
2017年06月10日
亀沢も好調 4回2点適時打
亀沢も好調 4回2点適時打
2017年6月9日 紙面から

ロッテ-中日 4回表1死二、三塁、亀沢が中前に勝ち越しの2点打を放つ。投手唐川=ZOZOマリンで(河口貞史撮影)
逆転されても、一度はひっくり返した。4回。松井雅の適時打で追いつき、なお1死二、三塁。ここで打席には亀沢。1ボールから真ん中高めの142キロ直球をはじき返した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060902000114.html
2017年06月10日
大野、男泣き 先発8戦目やっと初星
大野、男泣き 先発8戦目やっと初星
2017年6月8日 紙面から

ロッテ-中日 今季初勝利を挙げ、ヒーローインタビューで涙ぐむ大野(小沢徹撮影)=ZOZOマリンで
開幕エース左腕が待望の今季初勝利で感極まった。中日は7日のロッテ戦(ZOZOマリン)を4-2で快勝し、今季2度目の3連勝で2カード連続の勝ち越し。先発の大野雄大投手(28)は7イニングを4安打2失点(自責0)と粘り、自身先発8試合目で1勝目(5敗)。打っては7回、荒木雅博内野手(39)が2001安打目となる決勝打を左前へ。投打の歯車ががっちりとかみ合ってきた。
長かった。苦しかった。そして、勝った。大野が幕張の夜空を白星で彩った。お立ち台でマイクを向けられると、思わず言葉に詰まった。「応援してくれる人に全然応えられなくて」。ドアラに慰められ、森監督までもがベンチに戻ってきた。目からあふれた涙がこれまでの苦闘を物語る。
2年連続となる開幕投手を務めてから、2カ月余。先発で勝ち星がつかず、その後中継ぎ登板もした。それから一度登録を抹消し、5月31日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に照準を定めて調整を進めてきた。「これだけ時間をもらって、自分の投球がものすごく大事になることはわかっている」。何としても結果でみせなければいけない試合で6イニング6失点。2軍降格も検討されたが、首脳陣はラストチャンスを与えた。「勝ち」以外の選択肢はない。腹は決まった。
「いけるところまで全力でいく。情けない話ですけど、5回で終わっても仕方ないという気持ちだった」。ゆったりと右脚を上げ、力強く腕を振った。140キロ台中盤の直球には強さがあった。1回は2死一塁から角中を144キロ直球で空振り三振。2、3回を三者凡退と完璧なスタートを切った。1点リードの4回に大島の失策で同点に追い付かれ、勝ち越し直後の6回には自らの失策絡みで再び同点に。それでも気持ちは切れなかった。7イニング、4安打、2失点(自責0)。2点リードでバトンを渡した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060802000114.html
2017年06月10日
荒木、2001安打目はV打
荒木、2001安打目はV打
2017年6月8日 紙面から

ロッテ-中日 7回表1死一、三塁、荒木が左前に適時打を放つ。捕手吉田=ZOZOマリンで(河口貞史撮影)
プロ人生を歩み始めた地で、リスタートの一歩を刻んだ。同点の7回1死一、三塁。初球の145キロ直球に反応すると、打球は三塁手の頭を越えて左前へ。偉業から4日。「振ったら当たった」とおどけた2001安打目は、シーソーゲームに終止符を打つ決勝打になった。
「大野が気合入れて投げて投げていたからね。何とか打ちたかった」。開幕から苦しんできた左腕の粘投に、ベテランが応えないわけにはいかなかった。先頭で迎えた9回にも右前打を放ってマルチを記録。あのころと同じ幕張の夜風を浴びながら、躍動した。
さかのぼること20年。当時の千葉マリンスタジアムに初々しい高卒2年目の若造が立った。1997年5月31日のヤクルト戦の7回にプロ初出場。翌6月1日にはスタメンも担った。「最初に出たところだから」。もちろん忘れるわけはなく、不思議な縁を感じていた。
失敗も繰り返してきたプロ人生。この日もふがいなさを味わった。無死一塁で迎えた1回も6回も、送りバントを失敗。「全然ダメ。最低。もう一回、最初からやり直し」。容赦なく自らを責めた。それでもミスを引きずらず、千金の一打で挽回。二遊間を組む後輩への手本でもあった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060802000112.html
2017年06月10日
京田、今季5度目の猛打賞
京田、今季5度目の猛打賞
2017年6月8日 紙面から

ロッテ-中日 6回表無死、京田が右安打を放つ=ZOZOマリンで(武藤健一撮影)
竜のリードオフマンとして文句ない仕事だ。京田が4打数3安打で3試合ぶりとなる今季5度目の猛打賞をマークした。四球も含めて5打席で4出塁。陰ながらチームの勝利に貢献し、存在感を際立たせた。
「3本(安打を)打てたことは良かった。フォアボールを選べたことも」
1回からエンジン全開だった。4球ファウルで粘ってからチェンのフォークを中前打。先頭で回ってきた第3打席の6回無死には甘く入ったスライダーを右前打し、追加点の足掛かりをつくった。7回1死二塁には有吉のスライダーを右前に運んで3本目の安打を記録した。
5月から好調をキープし続けている。同月はプロ初本塁打を含む96打数31安打、打率3割2分3厘。交流戦を迎えた6月も23打数11安打、打率4割7分8厘。5月よりも結果を残せていることでチームに勢いをもたらしている。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060802000110.html
2017年06月10日
荒木雅博を語る<4> 柳葉敏郎さん
荒木雅博を語る<4> 柳葉敏郎さん
2017年6月8日 紙面から

始球式で荒木(手前)から空振りを奪い、笑みを浮かべる柳葉敏郎=2010年7月3日、こまちスタジアムで(佐藤哲紀撮影)
荒木が打席に入る際、「ソイヤ! ソイヤ!」という掛け声が印象的な登場曲が流れる。俳優の柳葉敏郎(56)が所属していたグループ「一世風靡(ふうび)セピア」の曲「前略、道の上より」だ。柳葉は、荒木が兄のように慕う人物。秋田県在住で、2、3年に1度ある中日の秋田遠征の際には必ず食事会を開くなど、親交を深めてきた。出会いは2008年1月の横浜スタジアムでの「欽ちゃん球団」のイベント。大勢のゲストでごった返す控室で、荒木が熱烈なファンである柳葉に声をかけ、グラブを贈った。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060802000111.html