2017年06月10日
荒木、2001安打目はV打
荒木、2001安打目はV打
2017年6月8日 紙面から

ロッテ-中日 7回表1死一、三塁、荒木が左前に適時打を放つ。捕手吉田=ZOZOマリンで(河口貞史撮影)
プロ人生を歩み始めた地で、リスタートの一歩を刻んだ。同点の7回1死一、三塁。初球の145キロ直球に反応すると、打球は三塁手の頭を越えて左前へ。偉業から4日。「振ったら当たった」とおどけた2001安打目は、シーソーゲームに終止符を打つ決勝打になった。
「大野が気合入れて投げて投げていたからね。何とか打ちたかった」。開幕から苦しんできた左腕の粘投に、ベテランが応えないわけにはいかなかった。先頭で迎えた9回にも右前打を放ってマルチを記録。あのころと同じ幕張の夜風を浴びながら、躍動した。
さかのぼること20年。当時の千葉マリンスタジアムに初々しい高卒2年目の若造が立った。1997年5月31日のヤクルト戦の7回にプロ初出場。翌6月1日にはスタメンも担った。「最初に出たところだから」。もちろん忘れるわけはなく、不思議な縁を感じていた。
失敗も繰り返してきたプロ人生。この日もふがいなさを味わった。無死一塁で迎えた1回も6回も、送りバントを失敗。「全然ダメ。最低。もう一回、最初からやり直し」。容赦なく自らを責めた。それでもミスを引きずらず、千金の一打で挽回。二遊間を組む後輩への手本でもあった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060802000112.html