2017年06月10日
大野、男泣き 先発8戦目やっと初星
大野、男泣き 先発8戦目やっと初星
2017年6月8日 紙面から

ロッテ-中日 今季初勝利を挙げ、ヒーローインタビューで涙ぐむ大野(小沢徹撮影)=ZOZOマリンで
開幕エース左腕が待望の今季初勝利で感極まった。中日は7日のロッテ戦(ZOZOマリン)を4-2で快勝し、今季2度目の3連勝で2カード連続の勝ち越し。先発の大野雄大投手(28)は7イニングを4安打2失点(自責0)と粘り、自身先発8試合目で1勝目(5敗)。打っては7回、荒木雅博内野手(39)が2001安打目となる決勝打を左前へ。投打の歯車ががっちりとかみ合ってきた。
長かった。苦しかった。そして、勝った。大野が幕張の夜空を白星で彩った。お立ち台でマイクを向けられると、思わず言葉に詰まった。「応援してくれる人に全然応えられなくて」。ドアラに慰められ、森監督までもがベンチに戻ってきた。目からあふれた涙がこれまでの苦闘を物語る。
2年連続となる開幕投手を務めてから、2カ月余。先発で勝ち星がつかず、その後中継ぎ登板もした。それから一度登録を抹消し、5月31日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に照準を定めて調整を進めてきた。「これだけ時間をもらって、自分の投球がものすごく大事になることはわかっている」。何としても結果でみせなければいけない試合で6イニング6失点。2軍降格も検討されたが、首脳陣はラストチャンスを与えた。「勝ち」以外の選択肢はない。腹は決まった。
「いけるところまで全力でいく。情けない話ですけど、5回で終わっても仕方ないという気持ちだった」。ゆったりと右脚を上げ、力強く腕を振った。140キロ台中盤の直球には強さがあった。1回は2死一塁から角中を144キロ直球で空振り三振。2、3回を三者凡退と完璧なスタートを切った。1点リードの4回に大島の失策で同点に追い付かれ、勝ち越し直後の6回には自らの失策絡みで再び同点に。それでも気持ちは切れなかった。7イニング、4安打、2失点(自責0)。2点リードでバトンを渡した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017060802000114.html