2017年05月30日
翔太、プロ2勝
翔太、プロ2勝
2017年5月25日 紙面から

DeNA-中日 先発し6イニング2失点でプロ2勝目を挙げた鈴木=横浜スタジアムで(金田好弘撮影)
踏ん張った先に白星が待っていた。「野手のみなさんに助けてもらいました」。2勝目を挙げた鈴木の偽らざる本音だろう。6イニング2失点。数字的にはもちろん合格。ただ、さらなる飛躍を期待される右腕にとっては、ここで満足するわけにはいかない。
点の取られ方が悪すぎた。味方が2点を先制した直後の3回無死二塁でウィーランドにまさかの四球。倉本の犠打で1死二、三塁とされると、桑原への初球が暴投となり1点を失った。さらに、4回2死満塁ではウィーランドに押し出しの四球を与えて同点。「僕のミスで相手に点数を与えてしまった。投手に四球を出すことは許されることではない」と反省の言葉ばかりが並んだ。
そのまま崩れてもおかしくない展開だったが、試合をつくれたことに成長の跡がある。打者に球速以上の威力を感じさせる伸びのある直球に、スライダーやフォークを交えたコンビネーションでしぶとくアウトを重ねた。押し出し四球を与えた直後の2死満塁では倉本をフォークで左飛に打ち取った。味方が6回に勝ち越し、直後のマウンドでは2死一塁で3打席目のウィーランドを二飛。ここでお役御免となった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052502000119.html
2017年05月30日
岩瀬、神業 相手を3球バント失敗
岩瀬、神業 相手を3球バント失敗
2017年5月25日 紙面から

DeNA-中日 4番手で登板し1イニングを無失点に抑えた岩瀬=横浜スタジアムで(岩本旭人撮影)
背番号と同じ13球に、培ってきた技術と経験を凝縮させた。1点リードの8回無死一塁。左打者が並ぶところでベンチは三ツ間から岩瀬にスイッチ。戸柱は迷いなくバントの構えを取ったが、外角への攻めに2球連続でバットを引いた。しかし、判定は2球ともストライクだ。魔法のように追い込むと、3球目は外角のスライダーを当てさせ、三塁線を切れるファウルにさせた。バントで構えた相手を3球でスリーバント失敗に。表情を変えない42歳とは対照的に、戸柱は思わずバットをたたきつけようとした。
「あれは芸術ですよ」。舌を巻いたのが友利投手コーチだ。岩瀬はブルペンのモニターで長井球審の特徴と、それまでの3打席で19球を投げさせた戸柱の選球力をチェック。どのコースまで球審がストライクと判定し、どのコースまで戸柱がボールと見極めるのかを把握していた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052502000118.html
2017年05月29日
柳、上々デビュー
柳、上々デビュー
2017年5月24日 紙面から

DeNA-中日 8回裏、初登板した柳=横浜スタジアムで(金田好弘撮影)
待望の1軍デビューだ。中日のドラフト1位ルーキー・柳裕也投手(23)が23日、DeNA戦(横浜スタジアム)の8回に4番手で登板。先頭の倉本に中前打を許したが、桑原を併殺に仕留めるなど、3人で切り抜ける堂々の無失点投球で初陣を飾った。試合は4-9で敗れ、連勝は「4」でストップした。
敗戦の中にキラリと輝く1人の姿があった。柳だ。横浜高3年だった2012年、敗退した神奈川大会準々決勝以来の横浜スタジアム。交代が告げられると、DeNAファンからも「柳だよ」の声が上がる。10分弱のプロ初登板は、1イニングを9球で3人斬り。昨秋のドラフトで競合したDeNAを向こうに回し立ち居振る舞いも、投球内容も堂々たるものだった。
「高ぶるものはもちろんあったんですけど、変な緊張感もなく落ち着いて投げられました」
出番は5点ビハインドの8回。初めての打者は横浜高の先輩・倉本だった。「試合が始まったら、対打者と思うだけなんで…」。記念すべきプロ1球目は、角度のある139キロの直球。2球目には縦に落ちる129キロのスライダーを中前にはじき返された。ただ動じることはない。桑原をスライダーで三ゴロ併殺に仕留めると、梶谷にもスライダーで空振り三振を奪った。マウンドでは、捕手・松井雅のサインに何度も首を振る姿も。友利投手コーチが「堂々たるもんだ」と、その強心臓に目を細めた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052402000107.html
2017年05月29日
バルデス、まさかの5失点
バルデス、まさかの5失点
2017年5月24日 紙面から

DeNA-中日 6回裏2死一、二塁、投手交代でマウンドを降りるバルデス(右)(金田好弘撮影)=横浜スタジアムで
皮肉な結果が待っていた。味方が点を入れたと思えば、すぐに吐き出してしまう。粘り強かったバルデスではない。5イニング2/3を投げ被安打8の5失点。「これだけ点を取られてしまっては…」。開幕から9試合続けてきたクオリティースタート(QS)が止まり、チームの連勝も4で途切れた。
ここまで62イニング2/3を投げ、防御率2・01と抜群の数字を残しながら、援護に恵まれず、ここまでわずか1勝。球界でもっとも同情されるべき投手だった。そんなバルデスに1回に2点がプレゼントされた。それが…。
「球も高くてコントロールも甘かった」。いきなり2点を失い、同点に。3回に再びビシエドの一発で2点を勝ち越してもらったが、これもすぐに追いつかれた。そして6回に勝ち越し点を奪われ、ピンチを広げたところで降板した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052402000104.html
2017年05月29日
ビシエド、浜口から8号
ビシエド、浜口から8号
2017年5月24日 紙面から

1回表1死一、二塁、ビシエドが左前に適時打を放つ(金田好弘撮影)
強風にも乗って伸びた打球が、右中間スタンドに突き刺さった。ただいま絶好調の4番・ビシエドだ。3回2死一塁の第2打席。3球目の外角高めのチェンジアップをとらえて一時は勝ち越しとなる8号2ラン。初回1死一、二塁の先制機では左前タイムリーで二塁走者の京田を迎え入れるなど、序盤から主砲が暴れ回った。柳の外れ1位で入団したDeNA先発の浜口には、再びプロの厳しさを知らしめた。9日の前回対戦に続いて本塁打をお見舞いし、今季3試合で6打数5安打2本塁打。5回の第3打席では四球を選んでマウンドから引きずり下ろし、「偶然かもしれないけど、相性がいいのか打てているね」と声を弾ませた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052402000103.html
2017年05月29日
柳、結果出す!!
柳、結果出す!!
2017年5月23日 紙面から

1軍初登板を控えキャッチボールで調整する柳=ナゴヤドームで(篠原麻希撮影)
先発の椅子をつかみ取る! 中日は22日、DeNA3連戦(23~25日、横浜)に備えてナゴヤドームで指名練習を行った。21日に出場選手登録されたばかりのドラフト1位・柳裕也投手(23)は、中継ぎで結果を残して先発の座を勝ち取る決意をにじませた。4連勝中と勢いに乗りつつあるチームで鈴木翔太(21)、小笠原慎之介(19)両投手との先発ローテ争いが激化しそうだ。
表情は冷静そのものだが、言葉からは内に秘めた闘志が伝わってきた。そう遠くないであろう初の1軍マウンドに向けて、キャッチボールやポール間走などで汗を流した柳が思いを巡らせた。
「自分は与えられたところでしっかりと結果を出すことに集中したい。(先発や中継ぎの)場所は関係ない」
1軍だからこそ味わえる雰囲気を体感した。21日に今季初めて出場選手登録され、同日の広島戦(ナゴヤドーム)で中継ぎとしてブルペンで待機した。「1回でも勉強になった。気持ちの面や体の面で毎日試合に備えるのは大変だな、と」。いつ出番が回ってくるか分からない緊張感。リリーフ陣の準備を目の当たりにし、あらためて心と体の状態を万全にする大切さを学んだ。
再スタートには持ってこいの場所だ。開幕後に初めて向かう1軍の遠征は、横浜スタジアムでのDeNA3連戦。横浜高時代に何度も経験したグラウンドに、柳は「高校時代ずっとやっていたなぁ」と懐かしんだ。2012年夏には神奈川大会準々決勝で桐光学園高の松井裕樹(現楽天)とハマスタで投げ合ったものの、チームは敗れて高校最後の夏を終えた。
あれから4年。今季は右肘の炎症で出遅れたものの、リハビリを経て2軍公式戦では3試合に先発して計16イニングを無失点と準備は万端だ。
ハマスタのマウンドに上がれば4年ぶりとなるだけに「(高校時代とは)違う緊張感があると思うので、しっかり投げたいと思う」と1軍デビューに向けて思いをはせた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052302000105.html
2017年05月29日
翔太、背水の決意
翔太、背水の決意
2017年5月23日 紙面から

リラックスした様子でアップする(左から)鈴木、柳、ジョーダン、小笠原、バルデス=ナゴヤドームで(篠原麻希撮影)
同じ失敗は繰り返さない。DeNA戦の2戦目に先発予定の鈴木は「無駄な四球を出さないようにしたい。そして打者に集中して投げたい」と気合を入れた。
前回登板の阪神戦(甲子園)では5四球と乱れ、4イニング2/3を投げ、5失点(自責点2)。味方のミスも絡んだとはいえ、負け投手になった。それだけに「結果が出なければファームに落ちる。毎回だけど、そういう覚悟を持ってやっている」と背水の決意を語った。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052302000104.html
2017年05月28日
平田、復調へ手応え
平田、復調へ手応え
2017年5月23日 紙面から

黙々とロングティーをこなす平田=ナゴヤドームで(篠原麻希撮影)
5月の月間打率が1割5分3厘と苦しんでいる平田が、不振脱出への手応えをつかんだ。22日の指名練習に主軸の打者ではただ一人参加。土井打撃コーチとのロングティーのほか、波留打撃コーチとともに約1時間、室内でのマシン打撃に没頭し、「きっかけはつかんだ」と言い切った。
広島戦でチームが今季初のカード3連勝を飾った陰で、平田は9打数無安打と苦しんだ。特に21日は4打数無安打3三振。この日3度目のチャンスをつぶした第4打席では、珍しくバットでホームベースをたたいて悔しがった。「チームにすごく迷惑をかけてしまっている」。試合後はそう視線を落としていた。
そこで取り組んだのは、打撃フォームの修正だ。試合後に波留打撃コーチとともに分析。「打ちにいくときの左肩の開き」という修正点を発見した。この日は実際に打球を打つ中で確認し、「とにかく打っておきたい」とひたすら打ち込んだ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052302000103.html
2017年5月23日 紙面から

黙々とロングティーをこなす平田=ナゴヤドームで(篠原麻希撮影)
5月の月間打率が1割5分3厘と苦しんでいる平田が、不振脱出への手応えをつかんだ。22日の指名練習に主軸の打者ではただ一人参加。土井打撃コーチとのロングティーのほか、波留打撃コーチとともに約1時間、室内でのマシン打撃に没頭し、「きっかけはつかんだ」と言い切った。
広島戦でチームが今季初のカード3連勝を飾った陰で、平田は9打数無安打と苦しんだ。特に21日は4打数無安打3三振。この日3度目のチャンスをつぶした第4打席では、珍しくバットでホームベースをたたいて悔しがった。「チームにすごく迷惑をかけてしまっている」。試合後はそう視線を落としていた。
そこで取り組んだのは、打撃フォームの修正だ。試合後に波留打撃コーチとともに分析。「打ちにいくときの左肩の開き」という修正点を発見した。この日は実際に打球を打つ中で確認し、「とにかく打っておきたい」とひたすら打ち込んだ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052302000103.html
2017年05月27日
吉見、お待たせ!!今季初勝利
吉見、お待たせ!!今季初勝利
2017年5月22日 紙面から

中日-広島 今季初勝利を挙げ、笑顔でナインを迎える吉見(谷沢昇司撮影)=ナゴヤドームで
うれしい瞬間がついに訪れた。中日の吉見一起投手(32)が、登板7戦目にして今季初勝利を挙げた。これまでは好投してもなかなか援護が得られなかったが、21日の広島戦(ナゴヤドーム)では打線が奮起。5イニング1失点の右腕を力強くバックアップした。吉見が初勝利ならチームの4連勝、同一カード3連勝も今季初。初物づくしで、反攻の手応え十分だ!
手のひら1つ分。わずかその10数センチに勝利への意思を込めた。「ふがいないですけど、何とか勝ちをつけてもらった。うれしい」。5イニング3安打1失点。吉見の言うとおり、味方の守備にも攻撃にも助けられた。リリーフ陣にも大感謝だ。
納得はしていない。それでも勝つことは何事にもかえがたい意味がある。今季初の4連勝、そして同一カード3連勝。チームメートとハイタッチを交わしながら、自然と表情は穏やかになった。
勝つために変化もいとわなかった。前回のヤクルト戦(松山)を前に大きな決断を下していた。
「動いたってことです」
これまで吉見が右足をプレートに掛ける位置は、三塁側の端から「手のひら1つ分」だけ中央に寄ったところだった。それを三塁側ギリギリにした。右打者の外角、左打者の内角に対し、より角度をつけることが可能になる。
6回途中6失点で敗れた3日の広島戦(マツダ)の前にも検討したが、ブルペンでの感触がしっくりいかず取りやめた。わずかな違いが大きな誤差を生む世界。「マウンドからの景色も変わる」。それでも、ためらうものはなくなっていた。
「ちょっと勝ち方が分からない。何か変えないと」。シーズン前まで通算80勝39敗、勝率6割7分2厘。球界屈指の負けない投手だった。それが、開幕から4連敗。好投しても心は晴れない。誰よりも勝ちにこだわる右腕は変化に賭けた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052202000099.html
2017年05月27日
大島、主役の日に主役の仕事
大島、主役の日に主役の仕事
2017年5月22日 紙面から

試合後、トークショーの最後に大島のかけ声で盛り上がるファン=ナゴヤドームで(布藤哲矢撮影)
自らの名前が冠された一戦で「負けたらどうしようと思った」。そう笑って振り返られるのも、バットで杞憂(きゆう)に終わらせたから。大島が2安打2打点で主役級の躍動。試合終了を告げる3アウト目の打球も自らつかんで「勝てて良かった」。試合後にグラウンドで竜党と触れ合い、喜びを共有した。
3回に左中間二塁打を放ち、ビシエドのタイムリーで勝ち越しの生還。5回無死一、三塁に右犠飛で追加点を挙げると、2点差に迫られた直後の7回2死二塁では、カットボールを左翼線へ。好機で迎えた第1打席は凡退していただけに「借りを返せたかな」とダメ押しの適時二塁打を振り返った。
FCスペシャルゲーム・大島洋平デーのテーマは「異次元のスピード感で、勝利に導いてくれ」。その言葉を守備でも体現した。9回に先頭の田中が左中間を破ってもおかしくない当たりを放ち、コイ党が一瞬沸く。3点リードがあるとはいえ長打になれば嫌な展開。打球音とともにスタートを切った背番号8は、最短距離で落下点へ。事もなげに捕球した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052202000092.html