2017年05月27日
吉見、お待たせ!!今季初勝利
吉見、お待たせ!!今季初勝利
2017年5月22日 紙面から

中日-広島 今季初勝利を挙げ、笑顔でナインを迎える吉見(谷沢昇司撮影)=ナゴヤドームで
うれしい瞬間がついに訪れた。中日の吉見一起投手(32)が、登板7戦目にして今季初勝利を挙げた。これまでは好投してもなかなか援護が得られなかったが、21日の広島戦(ナゴヤドーム)では打線が奮起。5イニング1失点の右腕を力強くバックアップした。吉見が初勝利ならチームの4連勝、同一カード3連勝も今季初。初物づくしで、反攻の手応え十分だ!
手のひら1つ分。わずかその10数センチに勝利への意思を込めた。「ふがいないですけど、何とか勝ちをつけてもらった。うれしい」。5イニング3安打1失点。吉見の言うとおり、味方の守備にも攻撃にも助けられた。リリーフ陣にも大感謝だ。
納得はしていない。それでも勝つことは何事にもかえがたい意味がある。今季初の4連勝、そして同一カード3連勝。チームメートとハイタッチを交わしながら、自然と表情は穏やかになった。
勝つために変化もいとわなかった。前回のヤクルト戦(松山)を前に大きな決断を下していた。
「動いたってことです」
これまで吉見が右足をプレートに掛ける位置は、三塁側の端から「手のひら1つ分」だけ中央に寄ったところだった。それを三塁側ギリギリにした。右打者の外角、左打者の内角に対し、より角度をつけることが可能になる。
6回途中6失点で敗れた3日の広島戦(マツダ)の前にも検討したが、ブルペンでの感触がしっくりいかず取りやめた。わずかな違いが大きな誤差を生む世界。「マウンドからの景色も変わる」。それでも、ためらうものはなくなっていた。
「ちょっと勝ち方が分からない。何か変えないと」。シーズン前まで通算80勝39敗、勝率6割7分2厘。球界屈指の負けない投手だった。それが、開幕から4連敗。好投しても心は晴れない。誰よりも勝ちにこだわる右腕は変化に賭けた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017052202000099.html