2017年04月08日
竜、ついに勝った
竜、ついに勝った
2017年4月8日 紙面から

中日-DeNA 連敗を止めて笑顔を見せる森監督(中)ら首脳陣=ナゴヤドームで(篠原麻希撮影)
みんなが待ってたよ、森ドラゴンズの2017年初白星! 中日が7日のDeNA戦(ナゴヤドーム)で今季7戦目にして初勝利を挙げ、1980年以来の球団ワースト開幕6連敗を免れた。3回に平田良介外野手(29)が走者一掃の三塁打で逆転。5回に再びリードを許したが、7回にゲレーロ、ビシエドの両助っ人がチャンスメークして再逆転、7-5で打撃戦を制した。さあ、これから出遅れ竜の巻き返しが始まる。
田島のスライダーにロペスのバットが空を切ると、ナゴヤドームが地鳴りのような大歓声に包まれた。ベンチを出て選手を出迎える森監督に、大島がウイニングボールを渡す。照れ隠しのように頭を小突きながら、こわもての指揮官の表情が一気に緩んだ。苦しんで、苦しんでつかんだ開幕7戦目での今季初勝利。森監督にとっては監督初勝利の記念星でもあった。
「大島が『このボールだけは』と持ってきてくれた。大事に机の上に置きました」。開幕6戦勝ちなしは37年ぶりの球団ワースト記録だった。森監督にとっても1引き分けを挟みながらも開幕5連敗は新人監督としてのセ・リーグワーストタイ記録だった。それだけに、安堵(あんど)とともに、喜びをかみしめた。
「はらわたが煮えくり返るものはあった」と明かすほどの怒りを押し殺し、選手を信じ続けた。その象徴が2つの投手起用だ。先発・大野の後を受けたのは、2日前に4イニング1/3を投げたばかりの又吉。「中1日でしんどかったと思う」と気遣いながらも、6回裏の打席にも送り、3イニングを託す執念の采配を見せた。昨季まで3年連続60試合登板を達成した鉄腕がこれに応える。侍ジャパンの4番・筒香を三塁ゴロに打ち取るなど1安打無失点で今季初勝利を挙げ、「誰に勝ちが付いてもうれしい。何より森監督に勝利を届けたかった」と力を込めた。そして森監督は次回は先発で登板させることを明言した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040802000098.html
2017年04月08日
平田、うっぷん晴らしたマルチ
平田、うっぷん晴らしたマルチ
2017年4月8日 紙面から

中日-DeNA 試合後のお立ち台でスタンドのファンと「ドラゴンズ!愛!!」と叫ぶ(手前から)平田、京田、又吉=ナゴヤドームで(いずれも布藤哲矢撮影)
◆中日7-5DeNA 歓喜に包まれたナゴヤドームを、背番号6がさらに盛り上げた。勝ち投手になった又吉、プロ初打点の京田とともにお立ち台に上がった平田。ヒーローインタビューの締めくくりで、声のトーンを上げた。
「みなさんでどうでしょう? ドラゴンズ愛を叫びますかぁ?」。平田の呼び掛けにファンのボルテージは最高潮に達した。「ドラゴンズ!」。平田の掛け声にファンが声を合わせる。「愛~~っ!」。背番号6のパフォーマンスで今季初勝利の味をファンとともに分かち合った。
3回に口火を切った。1死満塁の絶好機。「初球からフルスイングできる球だけを狙っていた」。1ボールからクラインが高めに投じた136キロカットボールを、力強く振り抜いた。左中間に飛んだ打球は、WBC日本代表でチームメートだった左翼・筒香のもとへ。処理をもたつく間に三塁まで到達。力強く握った左拳を一塁側ベンチへかざした。5試合連続安打となる走者一掃の逆転適時三塁打。「打撃の調子はいい。いいところで打てたと思う」。納得の一打だった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040802000102.html
2017年04月08日
4番ビシ急上昇
4番ビシ急上昇
2017年4月8日 紙面から

7回裏1死一、二塁、ビシエドが中前適時打を放つ(布藤哲矢撮影)
怖い…。そう相手が思いそうなほど、竜の主砲が頼もしい。1点差を追う7回1死一、二塁。ビシエドが外角のスライダーにバットを伸ばした。打球は中前に抜け、二塁走者の亀沢を生還させて同点。直後の勝ち越しへの道筋をつくった。
「打席に入った感覚がとても良くて、スライダーにしっかり食らい付いていけた」。それが絶好調の最たる証拠。2回にも右前打を放つと、2、3打席目は四球を選んで全4打席で出塁。「少しずつ状態は上がっているよ」と胸を張るのも無理はない。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040802000099.html
2017年04月08日
9回意地の同点も 球団ワーストタイ6戦0勝
9回意地の同点も 球団ワーストタイ6戦0勝
2017年4月7日 紙面から

中日-広島 11回表1死一、二塁、打者丸を迎えてマウンドの岡田(右から2人目)のもとに集まるナイン=ナゴヤドームで(金田好弘撮影)
土壇場の執念、実らず-。中日は6日の広島戦(ナゴヤドーム)で2点を追う9回2死、アレックス・ゲレーロ内野手(30)とダヤン・ビシエド選手(28)の初の連続適時打で追いつく、今季初めてのしぶとさをみせたが、延長11回に岡田俊哉投手(25)が3連打を浴び競り負け。開幕からの連敗は5に延び、6戦勝ちなしは6連敗した1980年の球団ワースト記録に並んだ。7日のDeNA戦(同)は最初の1敗を喫した大野雄大投手(28)が先発。エース左腕で出直しだ。
勝ちたい-。その気持ちはどのチームにも負けてはいない。しかし、現実はいつも容赦してくれない。9回裏に執念の同点劇を見せて2試合連続で延長戦にもつれこんだ末に、またも自滅のような敗戦。開幕6戦未勝利は6連敗だった1980年以来37年ぶりで、試合後の森監督は「愚痴にはならないよ、オレは」と務めて冷静に語りつつ、「ずっと同じことになっちゃう」と苦しい胸のうちをかいま見せた。
打線が、投手陣が、そしてキャンプから鍛え上げてきた守備までもが、思うように回らない。象徴的だったのは11回表。1死を取った三ツ間からバトンを受けた岡田が3連打を浴びる。塁が埋まって4番新井がライトへ犠牲フライ。平田の返球をカットしたビシエドが本塁アウトをあきらめ、スタートを切った一塁走者・丸の挟殺を狙った。その瞬間に二塁走者・菊池は本塁をうかがい、あわてて二塁手の堂上がサードに送球。そこで菊池は本塁に突入し、術中にはまるように2人目の生還を許した。「もう少し待っておくべきだった。三塁に投げるのを焦ってしまった」。堂上はそう悔やんだように、逆転するしかないその裏の攻撃で、この2点差が重くのしかかった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040702000114.html
2017年04月08日
ビシエド「まだまだやり返すチャンスある」
ビシエド「まだまだやり返すチャンスある」
2017年4月7日 紙面から

中日-広島 9回裏2死三塁、ビシエドがこの日4安打目となる同点中前適時打を放つ=ナゴヤドームで(金田好弘撮影)
◆広島5-3中日 主砲がエンジン全開だ。4番・ビシエドが6打数4安打、1打点と今季初の猛打賞をマークした。4安打は昨年7月11日のDeNA戦(横浜)以来、自身2度目だ。バットが振れていることに満足感を漂わせた。
「感覚はいいね。一番大事なことだから。よくなっているよ」
開幕から白星のないチームに何とか流れを引き寄せようと気を吐いた。2回の第1打席。広島の先発・大瀬良の138キロカットボールをフルスイングで中前にはじき返した。6回の第3打席には、低めの143キロ真っすぐを左前へ。8回には、代わったばかりのジャクソンの147キロ直球を打ち返し投手強襲内野安打。いずれも先頭で打席を迎えて安打で出塁した。
「猛打ショー」のクライマックスは9回2死だった。ゲレーロの適時三塁打で1点差に迫って迎えた打席。一発出ればサヨナラ勝ちの場面。右翼席を埋め尽くす竜党のボルテージが一気に高まった。「しっかり準備して、ストライクゾーンに来たら積極的に行こうと思っていた。何とかしたかった」。大歓声を一身に浴びたビシエドの気合がバットに乗り移った。1ボールから中崎の136キロツーシームを中前にはじき返す同点適時打を放った。一塁ベースを少し回ると、両手を2度たたいて喜びを爆発させた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040702000113.html
2017年04月08日
大島、今季1号飛び出した
大島、今季1号飛び出した
2017年4月7日 紙面から

7回裏1死、大島が右越え本塁打を放つ=ナゴヤドームで(金田好弘撮影)
懸命に声をからす竜党に向け、反撃ののろしを上げる一発だった。3点差を追う7回1死。大島が内角のフォークに反応した。鋭い体の回転とともに放たれた直線的な打球は右翼フェンスをわずかに越える。重たいナゴヤドームの空気が一瞬、色めいた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040702000112.html
2017年04月08日
アウト判定、リプレー検証で覆った 竜また勝てず
アウト判定、リプレー検証で覆った 竜また勝てず
2017年4月6日 紙面から

中日-広島9回表1死一、二塁、鈴木の左前打で本塁を突く丸にタッチする杉山。判定はアウトもリプレー検証で生還となる=ナゴヤドームで(小沢徹撮影)
今季初勝利まで、ほんのわずかに届かなかった。中日は5日の広島戦(ナゴヤドーム)で3-2とリードした9回、田島慎二投手(27)が同点打を浴びて、延長12回引き分け。12球団で唯一、白星から見放された竜の目覚めは、いつになるのか。
こんなにも長く、生みの苦しみを味わうことになるとは…。竜党の歓喜は悲鳴となり、開幕5試合目も白星をつかむことができなかった。1点リードの9回を田島が守れない。過酷な試練。野手を全員使い切った12イニングの死闘は、今季初のドローで幕を閉じた。
「負けなかったね」。取材陣の質問を待たず、指揮官はそう言った。表裏一体。勝てなかった。やはり、その結果の方が重くのしかかる。「1つ勝つのは難しいな。分かっているけど、それが野球でしょう」
4回からロング救援の又吉が無失点で流れを引き寄せ、打線が何とか逆転。最後はクローザーで逃げ切る-。しかし、勝利の女神はソッポを向いたまま。あと2人。1死一、二塁から三遊間を抜けた打球を藤井が猛ダッシュし、本塁に好返球。アウト。しかし、リプレー検証で判定が覆った。同点。「オレらにはどうしようもない」。指揮官も結果を受け入れるしかなかった。
延長の3イニングを救援陣がゼロ封したのは好材料。ただ、不安なのは昨季17セーブを挙げた守護神の精神状態だ。今季初登板だった1日の巨人戦(東京ドーム)で逆転サヨナラ被弾。これで2戦連続のセーブ失敗となり、指揮官も方程式の再構築も示唆した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040602000108.html
2017年04月08日
京田、2番で機能
京田、2番で機能
2017年4月6日 紙面から

中日-広島(上)7回裏無死二塁、京田が投前バントを決める=ナゴヤドームで(小沢徹撮影)
◆中日3-3広島 ルーキーの存在感が試合を重ねるごとに増している。走って、打って、守って。ドラフト2位の京田がチーム全得点に絡んだだけでなく、開幕5連敗の窮地も救ってみせた。
まずは自慢の足でプロ初盗塁だ。1回無死一塁に投ゴロの併殺崩れで出塁すると、同期の広島ドラフト3位・床田のモーションを完全に読み切った。「データと感覚がマッチした」。絶妙なタイミングでスタートを切り、スライディングすることなく二盗に成功した。先制点をお膳立てして、ゲレーロの適時打で本塁に生還した。
バットでもきっちり仕事をした。5回1死で床田の143キロ直球を詰まりながらも中前に落とした。これで開幕から出場4試合連続で安打をマーク。平田の適時打でこの日2得点目のホームを踏んだ。7回には無死二塁で投前にきっちり犠打を成功させた。三たび追加点の足掛かりをつくった。9回にも三塁への犠打。小技のうまさも見せた。
守っても大ピンチを救った。同点に追い付かれた9回1死一、二塁でエルドレッドの左翼へ抜けそうなライナーをダイビングキャッチ。4日の広島戦でゴロの処理などが中途半端だっただけに「守備でもしっかり攻めていこうと」と京田。併殺を完成させて勝ち越しを阻止した。
開幕4試合で15打数1安打、打率6分7厘と右のベテラン・荒木に代わって京田が今季初めて「2番・遊撃」に入った。「最初見たときはまさかと思ったけど、いつも通り自分のやることだけ試合に臨んだ」と冷静だった。打線の組み替えが機能したといえる。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040602000107.html
2017年04月08日
岩瀬、ガッツ!!3人斬り
岩瀬、ガッツ!!3人斬り
2017年4月6日 紙面から

10回表を三者凡退に抑え小さくガッツポーズする岩瀬=ナゴヤドームで(篠原麻希撮影)
10回からマウンドに上がったベテラン岩瀬も存在感をみせた。先頭の安部に3ボールとなったが、そこから直球で3連続空振りを奪って三振に。「だいぶいい感じでできている。(イメージに)近づいてきている」。続く、会沢をスライダーで遊ゴロ。最後は下水流をシンカーで空振り三振に。三者凡退の完ぺきなリリーフだった。
田島が安定しないため、役割が変わる可能性もある。「いま自分ができることは、言われたところで抑えること。それをやらないといけない」。
延長12回から登板した三ツ間もみせた。ここを抑えれば負けは消えるという場面。「これまでで一番緊張した」。先頭の鈴木に死球を与え、犠打で1死二塁。安部に右前打を浴び、一、三塁とされて絶体絶命のピンチを招いた。だが続く会沢を、内角からさらに内へ切れ込むツーシームで遊ゴロ併殺に。これで3試合連続無失点。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040602000103.html
2017年04月08日
森監督、オレは愚痴らん 37年ぶり開幕4連敗
森監督、オレは愚痴らん 37年ぶり開幕4連敗
2017年4月5日 紙面から

中日-広島 6回裏、ベンチで厳しい表情の森監督(右から2人目)=ナゴヤドームで
よーいドンからの暗いトンネルは、どこまで続くのか…。中日は4日、ナゴヤドーム開場20周年となる本拠地開幕を迎えたが、昨季リーグ覇者・広島の前に投打ともに精彩を欠き1-7の完敗。中日・森繁和監督(62)はあくまで我慢の姿勢を強調したが、1980年以来、37年ぶりの開幕4連敗を喫した。
今季の本拠地初戦。3万3744人が集結したナゴヤドームに竜党のタメ息が充満した。投壊、拙攻。そして、完敗-。開幕6連敗を喫した1980年以来、37年ぶりの4連敗スタート。それでも、試合後の森監督は仏の顔を浮かべた。
「このまま全部負けるわけないだろう。俺がいろんなことを言って(選手の)プレッシャーになるのも嫌だから。俺は愚痴はこぼしません」。感情を抑え、時に表情を緩めながら、「敗者の顔」を封印した。
愚痴を言い出したらキリがないはずだ。本拠地初戦を任せた若松は、わずか3イニングでマウンドを降りた。3番手の浅尾も2死走者なしから広島打線につかまり、致命的な4点を失った。
攻撃陣も逸機の連続。溝脇の代打弾は飛び出したものの、奪った得点はその1点だけ。初回の無死三塁を逃し、2回1死一、二塁は併殺打。4回無死二塁も後続が3者凡退。押し切れない場面が続き、開幕から4試合連続で3点以内と得点力不足に苦しむ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017040502000107.html