2016年11月14日
柳、しなやか 不調でも無失点
柳、しなやか 不調でも無失点
2016年11月14日 紙面から

明大-関大 5イニングを4安打無失点と好投した明大先発の柳=神宮球場で(黒田淳一撮影)
中日がドラフト1位指名した明大・柳裕也投手(22)が13日、明治神宮野球大会の準々決勝・関大戦に先発し、5イニング4安打、6奪三振、無失点の投球で、チームをベスト4に導いた。状態は万全ではなかったが、クレバーな組み立てでゲームメーク。適応力の高さに竜のスカウトも二度惚れだ。
調子の良しあしは関係ない。大学生活の締めくくりは負ければ終わりのトーナメント戦。明大にとって大事な初戦で、柳が変幻自在のクレバーさを見せつけた。
「直球が良くなかった。浮いていたし、強さもなかった」。1回。無失点にしのいだものの、2死から四球、中前打で一、二塁のピンチをつくるなど、快調な立ち上がりとはいえなかった。直球は最速144キロをマークしたが、本来の投球と違うと判断すると、この日の状態に合わせたスタイルを検索した。そこで導き出したのが「カットボール」だった。
「打者がカットにあっていないと感じた。カットでうまく試合をつくれたと思う。トーナメントは負ければ終わり。点をやらないことを意識した」。4回には2死から満塁のピンチを招いたが、9番・阪本大を落差のあるカットボールで空振り三振に。最大のピンチも切り抜け、5回を投げたところでマウンドを譲った。
最速150キロの直球と、強烈なスピンがかかったカーブで打者の体勢を崩すのが柳のスタイル。本人もこの日の変化球主体の投球に満足しているわけではない。「ストレートが良くないと、変化球が生きてこない。そこをしっかりやっていかないといけない」。試合後は反省を口にしたが、結果的には適応力の高さをみせつけた。ただ、この日みせた変幻自在の投球は昨日、今日でできるようになったわけではない。柳には横浜高時代から培った哲学がある。
「高校のときから僕には150キロを超える真っすぐがあるわけでも、魔球のような変化球があるわけでもない。状況を考えながらやっていかないといけないんで。そこは人一倍意識してやってきた」
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111402000014.html
2016年11月14日
丸山、竜に注入“東邦魂”
丸山、竜に注入“東邦魂”
2016年11月14日 紙面から

仮契約を終え、プロでの活躍を誓う中日6位指名の丸山泰資=東京都内のホテルで(岩本旭人撮影)
最後まであきらめないのが東邦魂-。中日からドラフト6位で指名された東海大の丸山泰資投手(21)が13日、東京都内で入団交渉を行い、契約金3000万円、年俸720万円で合意した。母校の愛知・東邦高は今夏の甲子園で歴史的な大逆転勝利。当時のエースで中日が同5位で指名した藤嶋健人投手(18)とともに、チームを背負う決意を新たにした。
後輩たちが起こした「夏の奇跡」に、丸山の東邦魂が刺激を受けた。今夏の甲子園で、5-9とリードされていた東邦高が9回裏に5点を挙げてサヨナラ勝ち。選手権大会では史上2度目となる大逆転劇は、テレビで観戦した。
「最後まであきらめないことが大事だな」。感動冷めやらぬ翌日には、東邦の大先輩でもある東海大の横井人輝監督(54)から「東邦の先輩として感じたことを部員の前でしゃべってみろ」と言われた。突然の指名に戸惑いながらも、敗れた青森・八戸学院光星高出身で同じ4年の天久翔斗(あめく・しょうと)外野手とともに、100人以上の選手やスタッフらの前で思いをぶつけた。
「投手として結果が出なくても、どうすれば選手全員の気持ちを野手に伝えることができるかが分かった。自分がどうしてもやるんだ、という姿勢を示すことが大事なんです」
この大逆転の主役となった藤嶋は、同じ中日のドラフト5位指名。ひとあし早く仮契約を済ませた丸山は「スター性や周りを引きつける力を藤嶋は持っている。自分はそういうところが足りないと思っているので、そこは藤嶋から学びたい」と、4学年下の後輩からも吸収しようとする謙虚な姿勢を示した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111402000013.html
2016年11月14日
福谷、「緩」を身につけろ
福谷、「緩」を身につけろ
2016年11月14日 紙面から

サードスローを繰り返す福谷=北谷球場で(小沢徹撮影)
中日の秋季キャンプは13日、第3クールを終了した。沖縄・北谷では来季、先発転向の可能性がある福谷浩司投手(25)が「緩」のレベルアップに取り組んでいる。また、野手中心のナゴヤ球場には免除組の大島洋平外野手(31)が姿を見せ、ティー打撃やキャッチボールなどで肉体改造の途中経過をチェックした。
先発転向を視野に入れるなら、絶対に必要なものがある。150キロ超の「急」なら、福谷はもっている。だが、今欲しいのは「緩」。全球全力ではスターターは務まらない。
「カーブやチェンジアップは昨年、今年とあまり投げていないし、よくなかった。1個でも使えるようになればいい」
福谷は1日からブルペンに入り、5日には309球の熱投を見せるなど猛アピールを続けてきた。だが、球数だけでなく、ブルペンではカーブやチェンジアップなどの割合を増やしている。長いイニングを投げる先発には、スタミナも求められる。最大の武器であるストレートに「緩」を身につければ、終盤まで球速が落ちることを防ぎ、より速く感じさせることもできる。
友利投手コーチは「目的意識が高いよね。変化球にも取り組んでいるし、球数も多く投げている。300球投げるリリーフなんていないからね。取り組む姿勢は(森監督に)報告しますよ」と先発としての可能性を高く評価した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111402000012.html
2016年11月14日
大島“肉体改造打法”着々
大島“肉体改造打法”着々
2016年11月14日 紙面から

肉体改造の成果をチェックする大島=中日ドラゴンズ屋内練習場で(金田好弘撮影)
歩んでいる道は間違えていなかった。秋季キャンプを免除され、定期的に東京都内のスポーツジムでウエートトレに励んでいる大島がナゴヤ球場でキャッチボール&ティー打撃。目的は肉体改造の中間チェックだった。
「今やっているトレーニングが野球の動きに合っているかを確認したかったんですが、いい感じでしたね。今年は下半身の強化と股関節の柔軟性に取り組んでいます。力をしっかり伝えて打てていると思います」
1年前から本格的に取り組んでいる駒大野球部の同級生・土田和楙(かずしげ)トレーナーの特別メニューによるウエートトレ。今年も継続しているが、肉体の変化は感じていても野球に生かせなければ意味がない。そこでナゴヤ球場で「野球」をやって確かめた。結果は納得。実は結びつつある。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111402000011.html
2016年11月14日
岡田、救世主だ 見事ゼロ封
岡田、救世主だ 見事ゼロ封
2016年11月13日 紙面から

日本-オランダ ヒーローインタビューを終え、ファンの声援に応える岡田=東京ドームで(北田美和子撮影)
竜のブルペン左腕が侍の救世主になった。12日の強化試合・オランダ戦(東京ドーム)は9回で決着が付かず、無死一、二塁から始まるタイブレーク方式の延長へ。10回、マウンドには6番手で中日・岡田俊哉投手(24)が上がり、無失点に抑える好救援。その裏のサヨナラ劇で勝ち投手となった。追加招集からスタートして大仕事。首脳陣からも絶賛された岡田は、来春のWBC本戦の指名も引き寄せそうな勢いだ。
心臓バクバクの場面で岡田がデッカイ仕事を成し遂げ、お立ち台までゲットした。10回はWBC本番と同様に無死一、二塁から始まるタイブレーク。「フィールディングもうまいので」(小久保監督)。ここで指名されたのが岡田だった。
「汗びっしょりでした。でも一つ一つ取ることを考えた。ゲッツーとかおいしくはいかない。こういうときほどストライク先行を意識した」
先頭打者を1ボールからの直球で中飛。2人目は、2ストライクからの3球目でフォークを引っかけて暴投に。二、三塁とされたが、大野のサインは再びフォーク。「投げ切れて良かった」。きっちり制球し、空振り三振に。敬遠を挟んで最後はランぺを一飛に打ち取り、ガッツポーズ。負けられない戦いで、勝利をグイッと引き寄せた。
9回に同点に追いついた時点で首脳陣から「タイブレークなら行くぞ」と告げられていた。「小学生の時にそんなようなルールで投げたことがあったかも…。でも、こういう状況で投げるのは実質初めて。経験がなかったからこそ良かったのかも」。無我夢中で腕を振る勇気を持っていた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111302000098.html
2016年11月14日
周平、来季こそ三塁フル出場
周平、来季こそ三塁フル出場
2016年11月13日 紙面から

契約更改交渉を増額で終え、会見で来季の抱負を語る高橋=中日ドラゴンズ屋内練習場で(篠原麻希撮影)
中日・高橋周平内野手(22)が12日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で契約更改交渉に臨み、300万円増の1900万円でサインした。今季は開幕から好調を維持するも、4月下旬に右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折して途中離脱。高卒6年目の来季は三塁での全試合出場を果たし、竜の主力としての地位を築く。(金額は推定)
破りかけた殻を、閉ざすわけにはいかない。「ケガをしたし、レギュラーも取れなかった」。高橋の表情には満足のかけらもない。300万円増の提示にも「特に何もないです」。視線はすでに来季に向けている。
今季は初の開幕スタメンで猛打賞と好スタートを切ると、4月からは「3番・三塁」に。「このままいければと思っていた」と上昇気流に乗っていた直後、アクシデントに見舞われた。4月30日の広島戦(マツダ)で右手付け根の有鉤(ゆうこう)骨を骨折。復帰まで3カ月を要した。
終わってみれば75試合で打率2割5分1厘、4本塁打、29打点。出場数と打点はキャリアハイを更新したが「うまくいっている時ほど、すんなりはいかないんだな」と悔しさを押し込める。不運なケガとは言え「何もできないのはもったいないと思った」と痛感。ケアの重要性を感じ、現在も週に一度は治療に通う。
あらためて強くした決意は「1年間通して試合に出られるように」。ただ、自動的に三塁が用意されるわけではないのも分かってる。ベテランの森野や福田らとの争いの中で「まずは開幕戦に出ること」。1試合ずつ積み重ねた先に143試合が見えてくる。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111302000095.html
2016年11月14日
井領、外野奪って定着
井領、外野奪って定着
2016年11月13日 紙面から

契約更改交渉を増額で終え、会見で笑顔を見せる井領=中日ドラゴンズ屋内練習場で(篠原麻希撮影)
残留なんの! 中日・井領雅貴外野手(27)が果敢に外野争いに臨む。12日の契約更改交渉で、50万円増の800万円でサイン。主力の大島、平田の残留で厳しい争いには変わりないが「超えなきゃいけない壁。遠慮せず、必死に食らい付いてやっていきたい」と語気を強めた。(金額は推定)
入団から2年連続で開幕1軍に入ったものの、2軍生活が長かった今季。それでも9月にはプロ16打席目にして初安打を放ち「1軍でもヒットが打てるんだなと自信になったし、心にゆとりができた」。その後は初アーチも記録。今季通算では13試合で打率1割9分4厘、1本塁打、1打点だったが、終盤に存在感を示した。
生まれた上昇気流を途絶えさせず、来季へとつなげる。「1軍定着を目標にしたい。チームにもっと貢献しないといけない」。中堅・大島、右翼・平田は盤石で、左翼も藤井や近藤、チーム事情次第ではビシエドや福田とも競うことになるが「自分のレベルを上げて納得のいく形でやれれば」と見据える。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111302000096.html
2016年11月14日
福、吉見直伝スライダー習得だ
福、吉見直伝スライダー習得だ
2016年11月13日 紙面から

シーズン中の吉見のアドバイスを基にスライダー習得に取り組む福=北谷球場で(小沢徹撮影)
「吉見スライダー」習得だ! 沖縄・北谷で続く中日の若手投手陣による秋季キャンプで、福敬登投手(24)が12日、吉見一起投手(32)のような打者の手元で横に変化するスライダーを試した。シーズン中に背番号19からもらったアドバイスをヒントに、来季の飛躍に向けて腕を振り続けた。又吉克樹投手(26)はキャンプ最終日までブルペン投球を『完走』する目標を掲げた。
何かを思い出したように声を発した。「握りを変えます」。福が投げ始めたのはスライダー。もともと持つ変化球だが、実はマイナーチェンジを加えていた。ブルペンで101球を投げ込んだうち、50球を過ぎたあたりから試投。個別練習でも感触を確かめた。
「カットボール気味の握りのスライダーですね。今まで投げてきたものとは現時点ではどっちつかずですけど…。今までのスライダーだけを同じように続けていたら意味がない」
さかのぼれば初夏を迎えたナゴヤドーム。試合前に、吉見とのキャッチボールでアドバイスをもらった。「5月か6月でした。『最後に手元で曲がる球はバッターが一番打ちづらいんだよ』と。吉見さんの球は受けづらかった」。キャッチボールでさえ手元で横に大きく変化するボールに、驚くばかりだった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111302000094.html
2016年11月14日
岩崎達郎、4年ぶりテスト生で帰ってくる
岩崎達郎、4年ぶりテスト生で帰ってくる
2016年11月13日 紙面から

4年前まで中日に在籍した岩崎
12球団合同トライアウトが12日、甲子園球場で行われ、中日から戦力外通告を受けた中日・西川健太郎投手(23)ら65選手が参加した。中日は、出場を予定しながら参加を見送った元楽天の岩崎達郎内野手(31)を調査していることが判明。球団によると、ナゴヤ球場で行われている秋季キャンプで15日からテストするという。
テストとはいえ、竜の黄金期を知る岩崎が、4年ぶりに名古屋へ帰ってくる。
2007年から6年間にわたり、中日に在籍。「アライバ」の陰に隠れていたものの、堅実な守備で荒木、井端をバックアップ。守備固めとして存在感は大きく10年には78試合、11年には51試合に出場。スーパーサブとして優勝に貢献した。13年の開幕直前に金銭トレードで楽天に移ってからは74試合、56試合、44試合と出場機会は徐々に減少。今季は若手起用が増えるなどし、1軍出場なしに終わっていた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111302000097.html
2016年11月14日
小笠原、倍々ゲームで3年後「1億円」
小笠原、倍々ゲームで3年後「1億円」
2016年11月12日 紙面から

契約更改交渉を終え、笑顔で会見する小笠原=中日ドラゴンズ屋内練習場で(篠原麻希撮影)
中日・小笠原慎之介投手(19)が11日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で初の契約更改交渉に臨み、300万円増の1800万円でサインした。自らは現状維持を予想していた中での20%アップに「びっくりしました」とホクホク顔。来年から倍々ゲームで年俸を上げ、3年間で1億円の大台を超える目標を掲げた。(金額は推定)
爽やかな水色のネクタイ以上に、表情は明るい。くしくも背番号と同じ11月11日に契約更改した小笠原は、開口一番「びっくりしました」。交渉前の気持ちは「8割が現状維持、2割が10%アップ」だっただけに、予想を上回る結果には大満足だった。
夏の甲子園を制したドラフト1位として、期待を背負って挑んだ今季。交流戦の開幕戦で1軍デビューを飾った。なかなか白星に恵まれない不運もあったが、9月4日の巨人戦(東京ドーム)で初勝利。通算では15試合で72イニング1/3を投げ2勝6敗、防御率3・36で1年目を終えた。
白黒の星取りだけでみれば「結果を出せなかった」と自己評価。ただ、西山球団代表は「投げたときはほとんど試合をつくってくれた」と説明する。先発した12試合のうち、役割を果たしたとされる「クオリティースタート」(6イニング以上で自責点3以内)を6度達成。勝ち投手の権利を得ながら、救援陣がリードを守れず白星が手に入らなかった試合も2度あった。勝敗だけでない安定感を評価された形だ。
年俸推移は右肩上がりで始まったが「ここがゴールじゃないんでね」と不敵に笑う。夢を売るプロ野球選手にとって、ひとつの目標が1億円プレーヤー。来年以降の契約更改で、年俸を2倍に増やしていく意気込みを問われると「そういう気持ちがないと、この世界ではやっていけない」と語気を強めた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201611/CK2016111202000118.html