2017年08月21日
岩瀬、40年ぶり偉業 通算949登板
岩瀬、40年ぶり偉業 通算949登板
2017年8月5日 紙面から

巨人-中日 通算949試合登板を達成し、花束を手に笑顔の岩瀬=東京ドームで(布藤哲矢撮影)
大記録が、白星で彩られた。中日・岩瀬仁紀投手(42)が4日、巨人戦(東京ドーム)で通算949試合のプロ野球最多タイの登板記録を樹立した。1956~77年に阪急(現オリックス)などで活躍した米田哲也に並んだ。同点の9回2死一、二塁というしびれる場面で登板。安打で満塁まで追い込まれたがサヨナラ負けを防ぐと、通算57勝目が転がり込んできた。現役最年長左腕は、記録達成の思いを手記につづった。
正直、この記録を意識してやってきたわけではないのでピンとこないのですが、よくここまで投げることができたなという気持ちはあります。最多記録に並ぶ登板が大ピンチでしたが、開き直って投げました。何とか打ち取ることができてホッとしました。結果的に勝利投手になったのは運があるのかなあ(笑)。
米田さんや歴代3位の金田さんは、とんでもない方々です。先発しながらの数字ですし、とてもじゃないけど中身が全然違います。
入団から15年続けた50試合登板が14年に途切れて、次の年には1年間投げることができませんでした。「潮時なんだな」と思いましたし、そこでもう記録を見なくなりました。
14年に左肘のけがをした後は完全に「迷い」の中に入っていました。炎症はありましたが、検査をしても骨とか靱帯に異状は出ない。ただ、強く投げようとすると、また痛みが出る。その繰り返しでした。
これが「勤続疲労」なのかなとも思いました。でも、ハッキリとはしない。原因が分からないというのが一番難しい。答えも見つからないわけですから。
もちろん、これだけの試合に投げることができたのは、周りの人たちの助けが大きい。自分の体に対する異常信号を感じるのは早い方だと思いますが、自分一人ではここまでくることはできませんでした。
今季は以前の自分に戻るというよりも、別のものをつくるという考えでやってきました。スライダーも、肘を痛める前に投げていたものとはまったく違います。
言葉で伝えるのは難しいのですが、今季取り組んできたスライダーは、投げるときの指の動きが内側から外側への逆捻りです。もちろん、スライダーなのでボールの回転方向は同じ。でも、リリースの瞬間は指を内側に捻るのではなく、ボールの左側を外に弾くようなイメージ。感覚的にはカットボールを投げるときに近いかもしれません。
軸になるのは、中指です。ただ、順捻りでスライダーを投げると、その時点で打者には分かってしまいますが、全部の球種の軸が中指だと何がくるのか分からない。そういう利点もあります。ただ、まだ思い通りに投げられる確率は2割か3割ぐらいですね。
ブルペンでの準備も抑えをしていたときとは違います。かといって、若いときの引き出しを探してきてやろうとしても、それに体がついていかない。そういう面では難しい。難しすぎます。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201708/CK2017080502000119.html