2017年08月13日
復帰いきなりゲレ弾
復帰いきなりゲレ弾
2017年7月31日 紙面から

中日-阪神 3回裏2死一塁、ゲレーロが中越え2ランを放つ=ナゴヤドームで(谷沢昇司撮影)
30日の阪神戦(ナゴヤドーム)、死球禍から復帰のアレックス・ゲレーロ内野手(30)がキング独走の28号2ラン! 待望の一発で勢いづいた中日は投打とも完璧。7連敗を7-0の快勝で止め、7月のラストを締めた。逆襲の8月に向け、駆け込み補強も成立。日本ハムからブルペン右腕、谷元圭介投手(32)を金銭トレードで獲得することになった。トレード期限の31日に正式発表される。
鬱憤(うっぷん)を晴らすような爽快な一発だ。26日のヤクルト戦(神宮)で死球を受けた右手は痛む。それでも、フォア・ザ・チームの気持ちをバットに乗せた。4試合ぶりに「4番・左翼」でスタメン出場したゲレーロが7試合ぶりの28号2ラン。主砲の一撃で喉から手が出るほど欲しかった勝利をたぐり寄せた。
「完璧なスイングができたよ。低めの球だったけど、バットの出方もとても良かった。パーフェクト!」
自画自賛の当たりだった。1-0の3回2死一塁、阪神・能見の投じた2球目。低めに変化していくツーシームを強振した。あっという間にバックスクリーンに突き刺す2ランでリードを広げ、試合の流れを引き寄せた貴重な一発になった。
チームを思う気持ちが出場に踏み切らせた。死球を受けた右手の腫れは引いていない。ただ、アイシング、温湿布、超音波、血流を良くするマッサージなど徹底した治療で状態は徐々に上向いていた。試合前には4日ぶりにフリー打撃を再開。1本の柵越えに加え、鋭い打球を連発した。迷いはなかった。「タイガースに2連敗して、ベンチで何もできないのがもどかしかった」。主砲を欠いた前日29日までの3試合で、チームはわずか4得点。責任感からゲレーロは痛み止めを飲んでまで強行出場を直訴した。
試合に出られなくても戦っていた。前日はベンチから戦況を見つめ続け、終盤の好機には打撃用手袋をはめてバットを持ち、エルボーガードを着けた。「演技だよ」。結局、出番はなかったが、代打の準備をして阪神ベンチにプレッシャーをかけていたのだ。グラウンドにいなくてもできることはある。ゲレーロなりに勝利を願った行動だった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201707/CK2017073102000095.html