2017年08月12日
神宮の悲劇 10点差7回から逆転負け
神宮の悲劇 10点差7回から逆転負け
2017年7月27日 紙面から

ヤクルト-中日 10回裏1死、伊藤(手前)が代打大松(中央)に右越えサヨナラ本塁打を打たれる=神宮球場で(北田美和子撮影)
ま、ま、まさかの展開だった。中日は26日のヤクルト戦(神宮)で今季初の2桁得点を記録し6回まで10-0。ところが、先発の大野雄大投手(28)が2ラン2発を浴び、救援陣もつかまり8回に同点にされ、延長10回サヨナラ負け。10点差の逆転負けは、プロ野球史上最大タイで4度目の惨劇となった。
無情の雨が竜戦士の心と体を冷やしていく。2試合連続のサヨナラ負けで今季4度目の4連敗。それ以上に大きな衝撃が残る。6回を終わって10点の大量リード。あとは悠々と逃げ切り-のはずだった。それが、終わってみれば11失点。「まさか」と言うしかない惨劇を味わった。
10回1死。2イニング目に入った伊藤が投じた初球147キロを大松に捉えられた。打球は右中間のフェンスを越える。「自分の力のなさ、甘さが出ました」。今季ブルペンで重要な役割を担うまでに復調した右腕は、痛恨のサヨナラ被弾に言葉を絞り出した。
序盤、中盤と順調にリードを広げ、今季初の2桁得点。これでも十分ではないと言うのなら、今の竜に安全圏はないということになる。プロ野球最大に並ぶ10点差の逆転劇。「10-0」からはセ・リーグ初の屈辱だ。
ケチのつき始めは先発の大野だ。7回から2イニング連続で2ランを被弾。ここまでは、まだ仕方がない。しかし、8回にバレンティンに左中間席に運ばれた直後の山田に与えた四球。これを危険信号と見たベンチは降板を決めた。
ただ、続く福谷も傾いた流れを止められない。四球と2安打でバトンタッチ。通算949試合登板の歴代最多記録にあと2となった岩瀬は、左2人に連打を許した。25日に46球を投げた連投の又吉も四球と連打を浴び、わずかに2イニングで10点の貯金が底を突いた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201707/CK2017072702000120.html