2017年07月02日
小笠原、プロワースト8失点
小笠原、プロワースト8失点
2017年7月2日 紙面から

広島-中日 5回裏1死、エルドレッドに3打席連続となるソロ本塁打を浴びる小笠原(布藤哲矢撮影)=マツダスタジアムで
エルドに屈辱の3打席連続被弾で手痛い連敗-。中日は1日の広島戦(マツダスタジアム)を1-8で敗れて連敗。先発の小笠原慎之介投手(19)が広島の6番エルドレッドに2、3、5回に本塁打を許し、自身ワーストの1試合4被弾で3敗目(2勝)を喫した。マツダで今季未勝利の中日は、2日の広島戦を勝たない限り、自力優勝の可能性が消える。
猛暑日に迫る炎天下のせいではない。増幅していく自らへの怒りで、全身の血液が煮えたぎりそうだった。小笠原が腕を振るほど、真っ赤に染まった敵地が揺れる。明らかな失投に、たとえ打ち取ってもグラブで太ももをたたいて悔しがる。なすすべなくマウンドで表情を失った19歳は、ただの未熟者だった。
完封直前まで迫った6月24日の巨人戦(東京ドーム)から1週間。「ある程度コースに決まれば、ゲームはつくれる」と宿した手応えは、一瞬で吹き飛んだ。変化球が入らず、内角の直球も簡単に見極められる。「苦しんでいたね」。近藤投手コーチが渋い表情で振り返るのも無理はなかった。
目の当たりにしたのは初めて経験する惨状。2回に先制のソロを浴びたエルドレッドに、3回には2ラン、5回にはソロと3打席連続で一発を浴びた。いずれも左翼席上段に飛び込む特大の当たり。「同じ選手に、同じように打たれている」。友利投手コーチもあきれ顔だった。
1打席目は外角要求の直球が中に入ったかと思えば、2打席目は甘くなったチェンジアップ。3打席目は外角の直球を踏み込まれた。いずれも内角を攻めきれず、後手の沙汰。女房役の松井雅も「やられ方が良くない。ホームランは避けられたと思う」と反省した。
警戒していた上位打線の「タナキクマル」には計4安打2四球を許し、6回には代打のバティスタにソロも浴びた。6イニングでいずれもプロ入りワーストの1試合4被弾、8失点。試合後、3敗目の修正点を問われた小笠原は「ゆっくり考えます」と言うのが精いっぱい。真っ赤な顔が、日焼けなのか、ふがいなさから来る紅潮なのかは分からなかった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201707/CK2017070202000102.html