2017年06月30日
小笠原、お見事G斬り
小笠原、お見事G斬り
2017年6月25日 紙面から

巨人-中日 6回裏1死一塁、坂本勇を三ゴロ併殺に打ち取りガッツポーズする小笠原=東京ドームで(篠原麻希撮影)
4連勝! カード勝ち越し! 中日は24日の巨人戦(東京ドーム)で8-2と快勝した。投げてはプロ2年目の期待の左腕、小笠原慎之介投手(19)が8回まで巨人打線を無得点に抑える好投。完封目前の9回に痛恨の2ランを被弾して、又吉の救援を仰いだが、堂々の2勝目を挙げた。打っては谷哲也内野手(31)のプロ初本塁打など今季最多の17安打を浴びせて、巨人を粉砕した。これで中日は今季2度目の4連勝を飾った。
ほろ苦い白星だって、すべてが貴重な経験だ。初完封まで2アウトなら、なおさら。小笠原は9回1死二塁で2ランを被弾して降板。「打たれてすいません」。ヒーローインタビューで左翼席の竜党に苦笑いでひと言。投げきる難しさに「僕にはまだ早いってことです」と冷静に受け止めた。
9カ月前と重なる景色。プロ初勝利を挙げたのは東京ドームの巨人戦で、同じくマイコラスとの投げ合いだった。「それを意識しなかったのが、かえって良かったのかも」。マウンドに立つ自身の姿は明らかに違う。それが2年目の進化。8日前に得た教訓を、すぐに生かす実行力が備わった。
前回16日の西武戦(ナゴヤドーム)。獅子のエース・菊池に完敗したが、成長への糸口を見つけていた。その試合の8回、この日すでに2発を浴びていたメヒアを中飛に仕留めてベンチに戻るや、森監督から言葉をかけられた。
「今、どうやって抑えたか言ってみろ」
すぐに口を開く。139キロの直球で勝負したのは「インコースです」。指揮官がうなずく。それがヒント。「内なら少し甘くても抑えられる。外、外と逃げるんじゃなくて、怖くてもしっかり内に投げきることだと思う。僕の生命線」。そう19歳は答えを導いた。
9人すべて右打者の巨人打線。「ちょっとでも甘くなったらヒットになる」と覚悟を決めて懐をえぐった。特に昨季1発を浴びている坂本勇には、徹底して内角勝負。1、2打席目を抑え、6回1死一塁の3打席目も三ゴロに仕留めて併殺が完成。めずらしく左拳を握り、雄たけびを上げた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017062502000112.html