2017年06月25日
岩瀬、一戦必勝
岩瀬、一戦必勝
2017年6月22日 紙面から

キャッチボールで調整する岩瀬=ナゴヤドームで(谷沢昇司撮影)
中日は21日、セ・リーグ再開となる23日の巨人戦(東京ドーム)に向けてナゴヤドームで全体練習を再開した。岩瀬仁紀投手(42)は20日に今季限りでの引退を発表した同い年のロッテ・井口との思い出を振り返りつつ、球界最年長選手としての心境を吐露。歴代最多登板へのカウントダウンに入りつつある鉄人左腕は、一戦必勝の姿勢で大記録に挑む。
最年長野手・井口の今季限りでの引退表明は、最年長投手の岩瀬にとっても意味深い出来事だった。松井秀喜らスターがひしめいた1974年生まれ世代の2人。この日の練習前、来季球界単独最年長選手となることを問われると「それはわからないですね」。岩瀬自身も年齢的にいっても来季が約束されているわけではない事実を自覚。「いつ何時、そうなるかもしれない」と前置きしつつ「そうならないようにやっていく」と言い切った。
井口とは思い出がある。2013年6月15日の交流戦、ロッテ戦(QVCマリン=現ZOZOマリン)で1点リードの9回2死から同点本塁打を浴びた。このとき打たれた球が、当時初めて実戦投入したカーブ。「試合で初めて投げて打たれて、それでカーブは終わった」と以降は封印した。
そのカーブは投げずとも、復活を果たした。シーズン序盤は3敗も喫したが、「本籍地」に近い8回に投げるセットアッパーとして5月下旬から現在11試合連続無失点で、6月の月間MVP候補にも挙がっている。そして大記録が迫る。今季ここまで29試合に登板し、実働19年間で通算933試合。歴代最多の米田哲也(949試合)、2位金田正一(944試合)を超える瞬間は、時間の問題のようにも見える。
しかし岩瀬はこう言った。「近づいては来ているけど…。モチベーションというか、逆に苦しい」。先を見る余裕はなく、そのつもりもないが、近づけば嫌でも意識してしまう。背水の日々を乗り越えてきただけに、16試合も先のことを考えるのは、いわば邪念となる。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201706/CK2017062202000105.html