2017年05月13日
小笠原、空回り
小笠原、空回り
2017年5月11日 紙面から

中日-DeNA 先発で5回を投げ終え、ベンチで悔しげな小笠原=ナゴヤドームで(金田好弘撮影)
復帰初白星は無念の持ち越し-。左肘手術から完全復活を期す中日・小笠原慎之介投手(19)が10日、DeNA戦(ナゴヤドーム)で今季初先発。序盤からMAX147キロの速球を軸に飛ばしたが、5回に筒香に一発を浴びるなど5イニング3失点で初黒星を喫した。打線も若き左腕を援護できず、1-3の完敗。連勝は2でストップした。
高ぶった思いが、空回りしてしまったのか。左肘遊離軟骨の除去手術から半年たち、たどり着いた真っさらなマウンド。「全体的にボールが高く、修正できなかった」。小笠原の今季初先発は、華々しい舞台とはならなかった。
立ち上がりから毎回走者を背負う展開。最速147キロの直球はうなりを上げたが、ボールが先行する。3回まで薄氷の無失点。4回2死一、二塁を招くと、投手の平良に高い直球を右前打にされて満塁に。倉本にも浮いた直球を中前に運ばれて2点を先制された。
5回には、筒香に右中間スタンドへ運ばれる被弾。昨季9打数3安打と分の悪かったハマの主砲は、甘い直球は見逃してくれない。5イニング104球を費やし、ガス欠状態で降板。森監督も「いいのか悪いのか、という感じ」と苦笑した。
小笠原が猛省したのが、打席に立った投手の平良への対応だ。「打撃がいいとは聞いていた」。それが過度の意識となり、1打席目は9球費やして二ゴロ。そして2打席目には痛打された。思わぬ落とし穴を、今後の教訓とするしかない。
チームは連勝が止まり、依然として最下位。窮状の最中、故障明けの19歳に希望を背負わすのは酷かもしれないが、小笠原は首を横に振る。今年の初詣絵馬に記した「軸」の一文字。「ローテの軸にならないといけないと思っています」。だからこそ、すぐに結果が欲しかった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201705/CK2017051102000109.html