2017年05月05日
三ツ間、2勝目!!苦労人が大役で開花
三ツ間、2勝目!!苦労人が大役で開花
2017年4月30日 紙面から

阪神-中日 8回を無失点に抑え、ほえる三ツ間(金田好弘撮影)=甲子園球場で
頑張る男に白星が転がり込んだ。中日は29日の阪神戦、9回に勝ち越して6-3で勝利。同点の8回、1イニングを無失点に抑えた2番手の三ツ間卓也投手(24)が2勝目を挙げた。開幕から大活躍の育成出身右腕は、高校時代に縁のなかった聖地・甲子園でも臆さず躍動した。
異様な雰囲気さえ楽しい。甲子園のスタンドには4万5000人を超える観衆。昨季2軍戦で1度経験した時とは違い「皆で大声出してメガホンたたいて。面白かった」。同点で迎えた緊迫の8回に登板した三ツ間は、あっけらかんと言う。その強心臓が、勝利の流れを呼んだ。
2死から鳥谷に右翼線二塁打を浴び、続く代打高山は「歩かせてもいい」と無理せず四球で一、二塁。代打糸原には、3球目の直球で空振りを奪って追い込み「真っすぐでいける」。最後は内角に147キロを投げ込み、力ない遊飛に打ち取った。
9回続投に備えてベンチ前でキャッチボールをしていた直後に打線が勝ち越し。プロ2勝目が転がり込んだ。実は、初勝利を挙げた12日のヤクルト戦(神宮)も、決勝打は藤井。「僕もそれ気づいていました。藤井さんにはいつも打ってもらって感謝です」と不思議な縁を喜んだ。
敵地とはいえ、高校生の夢舞台でもある甲子園。そこで活躍してプロの扉を開いた選手も多いが「僕には無縁の場所」。強豪の健大高崎高に進んだが、1年春に右肘の靱帯(じんたい)を損傷。復帰したのは3年春で、最後の群馬大会は4番手投手で「打撃が良かったので代打が主でした」
それから大学、独立リーグをへて育成選手としてプロの世界へ。王道とはほど遠い野球人生だったからこそ、マウンドに飢え、とにかく結果にこだわる。そうやって成り上がってきた。
昨秋のみやざきフェニックス・リーグでもそう。来季の飛躍に向けた挑戦の場なのに、かたくなに「結果です」と譲らなかった。見かねた高山2軍投手コーチは「じゃあ、おまえに完投指令を出す」と高いハードルを設定。与えられた先発マウンドで5安打完封をやってのけ、オフの支配下契約につなげた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017043002000102.html