2017年04月15日
大野、11K
大野、11K
2017年4月15日 紙面から

中日-巨人 3回表2死、坂本勇を見逃しの三振に仕留める大野。ここから6者連続三振が始まった=ナゴヤドームで(岩本旭人撮影)
◆中日3-2巨人 マウンドから放つ、怒気にも似たすごみ。それが、大野の意地。許されない3連続での背信、エースの誇り、選手会長としての責任感。開幕戦で苦杯をなめた巨人打線と向かい合う。走者を背負った序盤をこらえると、一気に加速度を上げた。
「自分の形が見えた。光が見えた」。そう振り返る手応えが、大観衆の視線をくぎ付けにしたのは3回2死から。坂本の見逃し三振に始まって、4回は阿部、マギー、長野のバットに立て続けに空を切らせた。直球で内角をえぐった分、外角のフォークがさえる。マイコラスが苦し紛れにバントして投ゴロになる5回2死まで、球団記録に迫る6連続での奪三振ショーだった。
だからこそ、悔やまれるのが8回のエアポケット。2点のリードをもらった直後、先頭の代打石川に3ボールとなり「出したくないという気持ちがあったのかも」。結果は右翼線二塁打を浴びると、1死から立岡の中前適時打で1点差に。さらに一、三塁から坂本勇の右犠飛で同点に追い付かれた。
続く阿部にも右前にはじき返されたところで降板。7イニング2/3で6安打2失点は好投だが、目の前にあった今季初勝利はこぼれ落ちた。奪三振は実に11個。プロ2度目の2桁に上った。鬼気迫る133球に、友利投手コーチも「開幕戦の復讐(ふくしゅう)心というか負けん気が出てきた」と評価した。
2年連続の開幕投手を務めた3月31日の巨人戦(東京ドーム)は6イニング6失点。それから始まった5連敗を止める責務があった4月7日のDeNA戦(ナゴヤドーム)は5イニング5失点。募るふがいなさに、この1週間思いを巡らせた。「先輩にも相談して」。そのひとりが岩瀬だった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201704/CK2017041502000112.html