2017年02月28日
柳、無失点デビュー
柳、無失点デビュー
2017年2月16日 紙面から

中日-KIA 3番手で登板し、2イニングを被安打2、3奪三振で無失点に抑えた柳=北谷球場で(篠原麻希撮影)
中日のドラフト1位、柳裕也投手(22)=明大=が15日、春季キャンプでの初実戦で、2イニングを無失点に抑えて上々のデビューを飾った。韓国プロ野球・KIAとの練習試合(北谷)に5回から登板。打者7人に対して2安打は許すも、すべて違う球種で3三振を奪って万能性を見せた。一塁走者をけん制でアウトにする場面もあり、即戦力としての完成度の高さも際立った。
淡々とした言い回しの中にも垣間見える熱量が、及第点のマウンドを象徴する。「高ぶってくるものがありました」と臨んだ初の対外試合で、何よりの無失点。「厳しいコースもつけたし、変化球で勝負もできた」。柳は何度もうなずいた。
惜しげもなく見せた投球の幅。5回無死一塁で右打者を外角のカーブで空振り三振に仕留めると、2死一塁となって迎えた左打者には「三振を取りにいきました」という縦のスライダーで思惑通りに。続く6回1死では内角ぎりぎりに直球を投げ込んで見逃し三振と多彩な勝負を見せた。
もちろん教訓も得た。5回の先頭打者を2球で追い込み、ファウルを挟んでの4球目。外角の直球を中前に運ばれた場面では、捕手・木下拓が出したボール球のサインを勘違いしてストライクゾーンへ。ベンチに戻るや森監督に呼ばれ「ヒットで良かったけど、クリーンアップに本塁打されると何もならないのがアマとプロの違いだ」と指摘された。
ただ、その走者をすぐにけん制で刺して火消し。「しっかりやってきた部分」と名門を歩んできた右腕に小技の心配はない。総合力の高い2安打3奪三振の計29球に、近藤投手コーチは「ステップアップしている」と評価。指揮官は「今は体が最悪の状態だと思う」と疲れを考慮した上で「こちらは結果を出しているうちはずっと投げさせる」と明言した。
他球団の偵察部隊は、持ち味であるカーブへの警戒もさることながら、直球にも注目。この日の最速は138キロでも「打者が差し込まれていた」と巨人・森中スコアラーは言う。きれいな縦回転のキレ味は、首脳陣も「打者の手元で強くいっている」と認める。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201702/CK2017021602000110.html