2017年02月18日
<竜戦士 オレの原点> 荒木雅博内野手
<竜戦士 オレの原点> 荒木雅博内野手
2017年2月5日 紙面から

左右にサトウキビ畑が広がる道を球場に向かって歩く荒木(宮崎厚志撮影)
気付けば空には星がまたたき、聞こえるのは風になでられるサトウキビ畑のざわめきだけ。街灯もない夜の一本道を、18歳の荒木はトボトボと歩いていた。「暗いなあ。長いなあ。明日もしんどいのかなあ」。誰からも返事はない。読谷村の平和の森球場から1・9キロ離れた宿舎まで、ヘトヘトになった体を引きずって帰るのが、プロ1年目のキャンプでの日課だった。
朝は早出特打から始まり、球場は最後に出る。1日10時間以上に及ぶ練習。さらに宿舎でもバットを振り込んだ。当時の2軍は1軍との差を明確にするためユニホームと背番号入りTシャツしか洗濯してもらえず、それ以外は自分で洗った。ホテルの洗濯機と乾燥機を回している約1時間、出掛ける当てもない。となればやることは1つ。素振りだった。人と同じことをしていては生き残れない。「5年で芽が出なかったら辞めて熊本に帰ろう」と決めていたが、そんな読谷キャンプは入団6年目まで続いた。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201702/CK2017020502000092.html