2017年01月21日
仙さん殿堂入り エースで監督で竜導いた
仙さん殿堂入り エースで監督で竜導いた
2017年1月17日 紙面から

闘志あふれるピッチングでファンを魅了した現役時代の星野仙一
野球殿堂博物館は16日、ことしの殿堂入りメンバーを発表し、監督として中日で2度、阪神、楽天で各1度と計3球団でリーグ優勝を果たした星野仙一楽天球団副会長(69)がエキスパート表彰で選出された。現役時代には中日のエースとして強い巨人に真っ向から立ち向かい、1974年にライバルの10連覇を阻んだ「燃える男」は「これからは野球界が一つになる後押しをしたい」と恩返しを決意した。同じくエキスパート表彰で大洋(現DeNA)のエースだった平松政次さん(69)、プレーヤー表彰では伊東勤ロッテ監督(54)が選ばれた。
闘志あふれる投球スタイル、ベンチを飛び出さんばかりの指揮する姿で、ファンに愛された闘将が、殿堂に姿を刻まれることになった。「すばらしい先輩の中に名を連ねられたこと。あと1週間で70歳になるのですが、これほど長く野球に関わらせていただいたのは本当に幸せなことで、野球に感謝しないといけないなと思っています」と、穏やかな笑みで語った。
まさに優勝請負人という、輝かしい野球人生だ。選手としては、1974年にエースとして、球団20年ぶりの優勝に貢献し沢村賞を獲得。82年に自身2度目の優勝を潮に現役を引退。監督としては中日で2度、阪神と楽天で1度ずつ、計4度のリーグ優勝を果たしているが、すべて前年5位以下の低迷時に引き受け、4年以内に優勝。中日では6年ぶりと11年ぶり、阪神では18年ぶり、楽天に至っては球団史上初の快挙で、指揮官としての手腕は比類がないが「その時その時の選手たちがしっかりやってくれた、そこを認められての表彰じゃないかな。非常に感謝してます」と控えめだ。3球団でリーグ優勝し、殿堂入りしたのは三原脩(巨人、西鉄、大洋)、西本幸雄(大毎、阪急、近鉄)に次ぐ3人目だった。
この日の殿堂入り発表でゲストスピーカーを務めた杉下茂さんは74年の優勝時にエース星野仙一が「日本シリーズは邪魔っ気」と話したことを明かした。自身も「覚えています。巨人に勝ったんだからもうええやないかと。今思えば、もっと真剣にやっておけばよかったな」と笑わせ、「だからこそ13年(楽天優勝)の時は、『頼むから(日本シリーズに)巨人が出てきてくれ』とお願いしてました。相手がジャイアンツ以外のチームだったら、燃え方が70%くらいだったかも」とにやり。自身4度目のリーグ優勝で唯一日本一まで上り詰めた原動力は、還暦を過ぎてなお燃える『打倒巨人』の闘志だったと明かした。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201701/CK2017011702000100.html