2017年01月17日
大野選手会長の決意表明
大野選手会長の決意表明
2017年1月16日 紙面から

ブルペンで投球練習する大野。2年連続の開幕投手に名乗りを上げた=中日ドラゴンズ屋内練習場で(金田好弘撮影)
中日・大野雄大投手(28)が15日、2年連続の開幕投手に名乗りを上げた。これまで開幕にはこだわらない考えだったが「譲るつもりはない」と堂々の宣言。翻意の裏には、波留敏夫打撃コーチ(46)からの言葉があったというが…。何はともあれ、やってもらわなければならない左腕が、チームを引っ張る決意を語った。また、この日からナゴヤ球場で選手会合同自主トレがスタートした。
待ってました! 竜党にとって気持ちの良い『前言撤回』だ。「自分でなくていいという思いもあったけど、そうじゃないなと。譲る気持ちはありません」。3月31日、巨人との開幕戦(東京ドーム)。新生ドラゴンズの象徴になるべく、大野の目指す先が決まった。

選手会合同自主トレがスタート。あいさつする大野選手会長(左中央)(金田好弘撮影)
昨年のシーズン終了後から、この話題については「そのとき一番良い投手がやればいい」と意識しない姿勢を貫いていた。しかし、気持ちが変わったのは昨年12月。地元・京都で開かれた野球教室の前夜、ともに参加していた波留コーチらと食事に出掛けた。話題はふと開幕投手に。そこで波留コーチからハッパをかけられた。「狙っていかなアカンやろ」。それまで無意識に考えていたことが、スッと形になった。開幕、投げたい-。
昨年は初の開幕投手を務め、白星を飾ったが、シーズンを通じては思うような結果を残せなかった。ましてやチームは19年ぶりに最下位に沈み、投手陣では2桁勝利にも規定投球回にも誰も達しなかった。その責任は誰よりも痛感している。
「狙うと発言をすることはプレッシャーになるのも承知。これでシーズンがダメだったら『アイツはそういうことを言っていたのに』と言われる覚悟もある。それでも自分にプレッシャーをかけてやっていきたい」。期待値が高いからこそ同時に雑音や断片的な評価が飛び交うことになる。すべてを飲み込み、結果で黙らせてこそ、真のエース。その矜恃(きょうじ)を言葉で示した。
ただ、結果的に背中を推した波留コーチは「酔っていて何も覚えていない。調子に乗って言ってしまったのかもしれない」とまさかの苦笑い。思わずズッコケそうな展開だが、それでもしっかり軌道修正し「プロなんだから自分の考えを発信して、責任を持って行動することは大切。同じ京都出身の後輩だし、やってもらわないと困る。良い方向にいってほしい」とエールを送った。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201701/CK2017011602000099.html