2017年01月07日
浅尾、学べ自分の体 福岡で合同自主トレ
浅尾、学べ自分の体 福岡で合同自主トレ
2017年1月7日 紙面から

青空の下、キャッチボールをする浅尾=福岡県糸島市のリョーユーパン球場で(篠原麻希撮影)
馬原流の「解体新書」で復活を-。中日・浅尾拓也投手(32)が6日、福岡県糸島市内で、元ソフトバンク守護神で現在は医療系の資格取得を目指す馬原孝浩さん(35)に師事する合同自主トレを公開した。2007年にセーブ王を獲得し、その後の右肩故障を克服した師匠は、自らの経験を踏まえて筋肉の構造や体内の特徴などを勉強する必要性を強調。知識量の増加がケアやトレーニングに生かされ、再起につながると説き、弟子も「しっかり吸収して、結果で恩返し」と誓いを立てた。
苦しみの克服はたやすくないからこそ、徹底的にやり尽くす。手を差し伸べてくれた先人の姿に「いかに自分の知識が浅かったか」。合同自主トレ開始から2日でも、浅尾は痛感できた。「知るだけでも全然違ってくる。賢くならないと」という馬原さんの引き出しは、驚きの連続だった。
まずは顔合わせとなった昨年末、血液を採取して米国の分析機関へ。「体の中からも変えていかないといけない」という元クローザーにいきなり面食らった。約90種類のアレルギー反応を見て控えたほうがいい食材や不足する栄養素が分かるという。
練習でも、ストレッチだけで2時間かける。「奥深くの筋肉を伸ばす感じ」と浅尾。この日のキャッチボールで約50メートルの距離を投げ「肩が楽。1日でこんなに変わるのか」と早くも効果を実感する。午後の筋力トレーニングでは経験のないほど追い込む。「体がバキバキ」と苦笑いで、前夜は手が上がらずに洗髪するのに苦戦した。
約10日間の濃密な時間を通じ、馬原さんが伝えたいのは学びの重要性。筋肉の付き方や動きの仕組み、体の各部位の連動性…。「肩に原因があるから痛いのではない。他の場所の動きがおかしいのがつながって肩に負担がかかる」。柔道整復師と鍼灸(しんきゅう)師の資格取得を目指して専門学校に週6日通う35歳が、人体解剖のススメを説く。
その言葉に説得力が増すのは、歩んだ道のりゆえ。セーブ王に輝いた翌年の2008年に右肩に炎症を起こして以来、常に解剖書を持ち歩くようになった。見聞きした知識を自ら試し、独自のケア方法を模索。個人トレーナーに5時間かけてマッサージ法を伝えるなど労を惜しまなかった。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201701/CK2017010702000101.html