2016年12月13日
ドラフト1位・柳、活躍して交通遺児基金設立したい
ドラフト1位・柳、活躍して交通遺児基金設立したい
2016年12月11日 紙面から

ウナギを食べて、元気いっぱい!ひつまぶしを手に大きな口を開ける柳(右)と京田=名古屋市内で(黒田淳一撮影)
柳基金をつくりたい。中日からドラフト1位指名された明大の柳裕也投手(22)が、将来的に交通事故で親を亡くした野球少年たちを支援するための基金をつくるプランを口にした。小6で父・博美さんを亡くした柳は野球少年に夢を与えることもプロとしての大事な役割と捉えている。10日は、柳を含めた新入団7選手がユニホームの採寸とメディカルチェックを受けた。
ユニホーム採寸で柳が2度試着するこだわりを見せた。ヒップ、太もも部分を2センチずつ縮める提案を受けた柳は「見た目が不細工なんで、もうちょっと縮めましょう」とピッタリサイズに修正したという。「2回着たのは新入団の選手では初めてでは」とアシックスの担当者。ユニホームに袖を通した柳は「あらためてプロの世界に入るのだと実感した。身が引き締まる思い」と話した。採寸前にはドラフト2位の京田らと初めてのひつまぶしを堪能。「だしをかけて食べたのは初めて」と大満足だった。
マウンドでの活躍はもちろん、少年たちに夢を与えたい-。柳は交通事故で親を亡くしても野球を続けたい子どもたちのため、将来的に「交通遺児基金」をつくる考えに思いをはせた。
「親がいなくても野球を頑張っている子もいると思う。結果を出してある程度活躍できれば、社会貢献をすることも見えてくる。将来的には何かしら人のためになれるようにしたい」
父の存在が柳の原動力になっている。小6の時に父・博美さんを交通事故で亡くした。その時、野球を教えてくれた天国の父に「プロ野球選手になる」と誓った。
博美さんは仕事が終わるといつも練習に付き合ってくれた。「父がいなかったからといって寂しいとか思ったことはない」。父を亡くしたことで、さらに練習に打ち込んだ。中学時代にシニアの日本代表に選ばれ、横浜高に進むと2年春から3季連続で甲子園に出場。明大でもエース兼主将として東京六大学の歴代8位となる338奪三振を達成した。そしてやっと立った夢への入り口。成功したら同じような境遇の子どもたちの力になりたいと思うのは、ある意味で必然なのだ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201612/CK2016121102000103.html