2016年10月31日
土井打撃コーチの第一声 小技の徹底
土井打撃コーチの第一声 小技の徹底
2016年10月27日 紙面から

練習前に選手らに向かってあいさつをする土井打撃コーチ(中央)=ナゴヤ球場で(小沢徹撮影)
中日は26日、土井正博打撃コーチ(72)の就任を発表した。秋季キャンプ初日のチームに合流し、ナゴヤ球場で選手らにあいさつ。長距離砲の育成に定評がある名伯楽は、意外にも小技の徹底を宣言。森監督が掲げる1点をとる攻撃陣の構築に全力を注ぐ。また、田村藤夫バッテリーコーチ(57)の就任も発表され、チームに合流した。
通算465発を打ち「18歳の4番打者」と呼ばれた伝説のスラッガーは、就任第一声で意表を突いた。
「まずは小技の徹底をしてもらいたい」。森監督に紹介され、首脳陣、選手、スタッフの前に姿を現した土井打撃コーチ。振れでも飛ばせでもなくまさかの小技。これまで特別コーチとして2年間指導してきた。平田や福田、高橋ら若手に繰り返してきたのは強く振るための理論だった。西武・中村、オリックス・中島ら長距離砲の育成に定評のある名伯楽だけに、意外も意外のあいさつだった。
「これまで見てきて、しつこい野球ができていないと感じた。1点をもぎとるというのがなかった。できることは徹底的に練習しないと」
土井コーチが掲げる「しつこい野球」に必要な3点セットが、バント、エンドラン、右打ちだという。すなわち「相手が嫌がることをしないといけない。強かったころはできていた。それが少し大ざっぱになっている。基本に忠実にですね」。パートタイムのコーチなら技術と理論を注ぎ込めばよかったが、フルタイムならそうはいかない。育成とともに勝利が義務づけられる。
「バント一つにしてもサインを出すのは監督。でも、たとえビシエドや平田でも、そういう小技ができる状態にしておくことが大事。その上で、やるやらないは監督の判断」。打順やタイプに関係なく、全員が小技もスタンバイOKの状況をつくることが、相手に考えさせる場面をつくり、プレッシャーを与えることにつながる。そして、「バントでしっかりとボールを捉えられれば、打撃にも通じる。フォアザチームには小技ができないと」と『コワザチーム』を力説した。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201610/CK2016102702000109.html